第1部 ■恒例「良いもの・こと探し」
参加者全員
冒頭、前回お休みをした早川塾長から、帰国の挨拶と、来月の全国大会のプログラムが発表されました。今年の全国大会は東京電塾初の泊まり込みで、すべてセミナーというプログラムです。全国の運営委員の皆様、是非参加してください!。
よい物、こと探しでは、しょうがなく飼い出したアメリカザリガニ。これが意外と愛嬌がある。飼ってみると反応があって楽しい。と言うお話しがなんか印象的でした。
SD1 D7000ともに皆大きな期待を寄せているようで大人気。出席者は31名でした。
第2部
■Nik Software社の新製品HDR Efex ProとDxO Optics Pro新バージョンのご紹介
株式会社 ソフトウェア・トゥー 椎野 圭子 様
Nik ソフトウエアーのHDR Efex ProはPhotoshopを持っている人間にっってはわざわざHDRソフトを購入する必要性はあまり感じませんが、Adobe Photoshop Lightroom 3 のプラグインとして使用できるのは期待できると思いました。
HDRとは露光違いの複数画像を一体化させ、広ダイナミックレンジの画像を作る仕掛け。Adobe Photoshop Lightroom 3 のプラグインで動作します。使いやすさ、出来る事のバリエーションが多いのが特徴でしょう。
合成時の動いたもの影を消してしまう機能や細かい木の葉の揺れなどを消すことが できる機能もあり、便利そうです。シャドウ強調、ハイライト強調、シャープを強調、弱めるなどをニュアンスでコントロールできます。もちろんコントロール ポイントも装備されており、使いやすさの手助けをしています。また、最終調整項目にビネットトーン編集などの機能も搭載されているので、そのままフィニッ シュへ持って行けそうです。
レンズ収差補正を搭載していることで有名なDxO もHDR を搭載したそうです。初心者向け機能に設定するとすべてオートで編集することも可能です。これもAdobe Photoshop Lightroom 3 のプラグインで動作します。RAWデータシングルショットHDR機能と言うものが追加されました。RAWで撮影した画像を通常、明るく、暗く現像しそれを 合成してHDRを実現させる方法で私たちも活用していましたが、それを自動でやってくれる機能です。しかもバッチ処理機能付き。マルチショット用のプラグ インも用意されるようです。レンズサポートもどんどん追加されていて30日間お試しデモつき。是非試してください。12月末までキャンペーンも用意されて いるそうです。
第3部
■ ついに動画性能をプロ仕様としたNikon D7000。もちろん静止画の再現力も向上
株式会社 ニコンイメージングジャパン 関口 宏 様 谷川尚隆 様
Nikon D7000はコンシューマ機という設定の割にとても素晴らしい性能のカメラで…発表当時のD70とよく似た存在感だと感じました。私たちは動画性能の向上 を取り上げますが、「プロが使える動画」がメインではなく、静止画非常に良くなった入門機という位置づけを強調されていました。DXフォーマットの最新機 種です。
○1600万画素を持っており、300dpiで長辺40センチの印刷が可能だ。A4見開き一杯の集合写真に対応できる。
○逆に言うとピクセルピッチが小さいため、感度は犠牲になりそうなものだが、100から6400と言う広い感度を確保している。これならちょっとくらい条件が悪い場所でも十分に仕事ができる。
○SDカードが二枚搭載でいるのも「プロ」仕様。撮影した瞬間にバックアップができるということだ。
○2016分割測光センサーを搭載、シーン認識の精度向上し、D300sを超えるスペック。
○ターゲット追尾も高精度化。
○視野率100%と言うのもまるで上位機種の装備。
○動画の記録形式もH.264をサポート。音声も外部マイクを使用でき、マイク 感度もオートだけでなく、マニュアルも差オーとしている。シャッタースピードをフリッカーのでない位置に変更することもやっとできるようになった。長辺 1920ピクセルだと秒24コマ、と言うのがちょっと情けないけど長辺1280ピクセルの時は秒30コマ撮影可能。
これらの特徴以外に画像処理エンジンのチップが小さくなりつつ、高速化が達成されています。
D90の1,5倍の高速処理をし、ノイズリミッタも高速化されており、高感度の実現にも寄与しているのでしょう。
おかげでD90と同等のボディサイズ。ボディにはマグネシウムを採用し、D300相当の防滴、防塵構造、フォーカスポイント、RAW14ビットモード搭載、インターフェイスにHDMI 搭載、CEC対応、ライブビュー動画撮影専用スイッチ、が用意されています。
付属するビューNX2には動画簡易編集機能 画像切りだし機能も追加されました。これは便利そうですね。
今回スペックをお伺いして、このカメラを取材、スタジオ用として十分に選択できると感じることができました。
また、ネット上で話題になっている動画撮影時のホットピクセルの発生は高速に記 録するためにホットピクセル処理が完璧ではないためだそうです。静止画では発生しないと言うことでした。ファームアップで改善されるといいですね。動画 20分ですが、ビットレートは公開されませんでした。個人的にはちょっと低そうだなと感じました。
動画性能に関してはまだ多くのリクエストがあったようです。特に動画を撮影して いるカメラマンから24pではあまりに使い勝手が悪すぎるというリクエストが多く寄せられていました。運営委員の玉内氏は「しゃくに触るくらい良くできて いる」と評価していました。10月29日発売でボディ単体で14万前後の販売価格です。
また、これまでニコンさんの電塾担当者は長い間中島氏が担当してくれていましたが、今回から谷川氏が担当してくれることになりました!よろしくお願いいたします。
第4部
■真性の解像感に定評があるFoveonセンサーを大型化したシグマSD!の実力。
株式会社シグマ 取締役社長 山木 様 広報部広報課 桑山 輝明 様
シグマさんはまだ、外に持ち出せるレベルの仕上がりがなかったため話題のSD1の登場はありませんでしたが、5枚の大型の実写プリントと社長の山木様から、とても興味深いプレゼンテーションをいただきました。
最初はリーマンショックがどれだけシグマさんにとって大変だったか。すべての素材、人件費が日本で発生する…すべての生産を国内のみで行っている企業の辛さでしょう。
そこから脱却するためにシグマが選択したのは廉価品を大量に生産するメーカーから、最高品質の物を、キチンと利益が上がる形で提供し続けると言うスタンスに進路を切り替えたのだと言います。
質的にいい 新製品を作り出すこと、光学区設計段階でカテゴリートップを目指すという姿勢から生まれたのが、APO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSM、そしてAPO 120-300mm F2.8 EX DG HSMだそうです。シグマ史上もっともできの良いレンズだと胸をはります。
そして1997年シリコンバレーに生まれたフォビオンの経歴、名前の由来、当初作成した最初のカメラ(実は玉内氏がテストしていたそうです)も紹介されました。
開発した人物像、どのようにFoveonセンサーと出会ったか、どういうタイミングでFoveon社を買収し、どのようにそれを生かしてきたのか、などのエピソードも大変興味深い物でした。
そして完成したのがシャープネスと解像感、色分離に定評のあるSD14。
それがいかにSD1に繋がっていたのか?…そしてSD1が目指す物を話していていただきました。Foveonの特性は三層構造ですが、で最後に届く光である「赤」の光量が減ることで発生するノイズを限界まで下げることに挑戦しているそうです。
ピクセルピッチが5ミクロンと小さくなったことで、低周波のまだらノイズも減る方向だと言います。画像処理エンジンは基本的には変わらないが、二基搭載し並列処理をしているそうです。また、よく話題になるカメラボディですが、今回はマグネシウム合金ボディを採用し、防塵防滴構造(最近のシグマさんのレンズの傾向を受け継いでいますね)を採用したそうです。
発売時期は来年春を目指しているそうです。価格24万8000円と玉内氏が大胆にも予想していました。また、早川氏は「実に電塾らしい素晴らしいプログラムであった」と絶賛していました。
今月の一枚
着せ替えができるペンタックスのOptio RS1000にマクベスチャートと早川氏の写真を装着したもの。うーん凄いけどカメラにチャートが着いているとそれを撮影できない!おもしろい発想ですね!。
2010.11.08 レポート 鹿野宏