10月電塾勉強会 「電子書籍と2010フォトキナレポート」
 
 

10 月の勉強会にご参加の皆様、ありがとうございました。約40名の参加でした。今回の電塾は始まって以来初めて「早川塾長」抜きで進行することになりまし た。インドはアジャンターで石窟壁画を撮影していた電塾塾長は電塾に参加するために3日前に日本に向けて出発していたのですが、政情不安定に重ねてダイヤ も不安定なので、日本の交通機関のようには行かないようです。そのため、早川氏は初めて電塾を欠席と言うことになりました。


電子書籍の行方と新発表のデジタルカメラに、明日のあたしたちの生活がかかっていると思ってしまうのです。私もわくわくしながらお話しをお伺いいたしました。


 
 

 

第1部                 
■「 恒例!良いもの・こと 探し」参加者全員

 

 
 

 

電 子書籍を楽しみに来ている方々が多いのが特徴的でした。InDesignはじめ多くのDTPアプリケーションの解説、セミナー講師などで有名な影山 史枝 さんが参加していたのにびっくりです。電子辞書に関してはすでにエキスパートですが、最近旦那様からカメラをいただいて、デジタルカメラに興味を持ち始め た、とのことでした。

 

30人ほどの参加者のお話しは珍しく30分で完了、スケジュールを繰り上げて電子書籍に関するお話しを拡大しました。

 

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今回気がついたのですが、撮影している参加者のほとんどが動画で記録しています。もちろん私もそうですが…。

 

 
 

 

第2部                 
■「まるっと電子書籍まるわかり!」
「iPod Style」戸津弘貴様 電塾運営委員 郡司 秀明

 

 
 

 

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戸津様は元アップルにおつとめ。今はiPod Style

http://ipodstyle.jp/

を主催しています。

 

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最初におもしろいiPadの使い方…記者会見で目線をもらうためにiPadに電光掲示板のように「目線をください…」と流すアイディアを疲労してくれました。

 

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もちろんiPodだけでなく、iPhone、iPadも取り扱っています。

電子書籍がもつ問題点は課金、週間など定期刊行の場合のアップデートの課題などが浮き彫りにされていました。ただ、新書、単行本などは問題ないそうです。

 

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電 子書籍をどのような形で配信するかという問題ですが、iPhone、iPadはじめとするアプリケーション方式とすること、専用サーバ、決済、フォーマッ トを開発するメガストア方式、そしてePUB/PDFの配信などが想定されるそうです。もちろんアンドロイドの出現で様々なアウトプットが増えていくで しょうが、その場合は端末ごとのサイズ、フォーマットの問題が残っています。

 

配 信以外にも既存コンテンツからePUBへの書き出しに問題があります。特にInDesign CS5の場合、どうしても埋め込んだフォントの変換、テキストと画像のリンクなどに問題があります。(私もこれで悩んでました)また、縦書きをサポートし ていないことも問題になりそうです。

 

そ こで物事を整理して考えると、コンテンツを画像ベースでパッケージ化することで一気に問題を解決することも可能だといいます。戸津様はまだ1年は iPad、iPhoneが主流だろうと判断し、その間に何ができるかを考え、その一例をiPod StyleとしてiPhone向けの写真集アプリケーションを当面のコンテンツとして押し出していこうとされています。

 

画像データを入稿するだけでアプリが完成し、電子書籍に参入できること、iTunes Storeへの登録の手間などかけずに自分の作品をiPhoneアプリとして販売出来る事などが上げられます。

 

もっともアプリケーション化してもiTunesStoreへの登録は登録料だけでなく、アメリカの納税者番号を取得を始め多様な書類のやりとりがあるのでとても敷居が高いそうです。その代行作業もiPod Styleが行おうという物です。

 

イニシャルにかかる金額も特に設定せず、売り上げに応じ多パーセンテージをいただくだけ、という仕組みを入れて、使ってもらいやすいようにセッティングもされているそうです。

 

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今 回用意しているアプリケーションは写真集で、デザインや時間の変更、時計の表示、(時計の表示は常に表示して使ってもらっることにつながるそうです)、販 売サイトへのリンク付けなどができるようになっているそうです。iPad写真集を販売してみたい方にとっては良いお話しだと思います。写真プリント、写真 集の販売ページとの連動も考えているようです。

 

将来的にSNS、ツイターやミクシーを利用するシステム、電子書籍としての機能の完備、新しい書籍のスタイルの模索、ページめくりのエフェクトなどの進化はもちろん想定しているそうです。

 

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さらに、より自由なiPhoneアプリの開発を同時に進めていく予定もあるそうです。いろいろなご相談ができそうなので、電子書籍で写真やイラストを販売したいと思っている方は連絡してみてください。

 

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その後、郡司氏からばバーチの長尾さんが制作しているiPadカタログの紹介がありました。もちろん画像はCG で制作されています。

 

長い間印刷畑でお仕事をしてきた彼も今、あっという間に紙媒体が無くなっていくのではないかと…いや、無くなっていくのだろうと予想しているようです。電子書籍が台頭していくのではなくて、一方的に紙がなくなり、電子書籍だけが残っていくのではないかと…。

 

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とはいえ、電子書籍の生き残り方には問題が山積みだそうです。大きく普及するのはアンドロイドでしょうが、その際に端末ターゲットが固定されていないため、最終デバイスによって再現が大きく異なることも予想されます…というかキット起こってしまうでしょう。

 

本来HTML5で記述、保存してあればいつでも、何処にでも活用できるデータとして保存できるのですが、見開きページを丸ごとJpegで保存、ページごとに閲覧できるだけでも十分活用できるのではないかとおっしゃっておりました。

 

雑誌は売れていなくて、「ビットウェイ」「イーブックイニシアチブ」などの漫画サイトも立ち上がり、そのうちに漫画もたぶん売れなくなる…。

大連で漫画スキャニング、PDF化している。これを読んで育つ次の世代はほんとに紙ではなく、ディスプレイに生きていくのだろうと…。私も同感です。

 

印刷ポスター<バックライト付きのコルトン<ディスプレイ

この順で必ず目立つ。確かにその通りです。しかもそれが動画であればなおさらです。

 

い ま、HTML5を制した人が次の世代を制していくのでしょう。つまり今なら画像化されたコンテンツでもそこそこ使えるけど、将来的に、マルチユースで活用 したければ、HTML5を使用して動画も静止画も、もちろんテキストもきちんとリンク付けをして保存しておこう。それができたところが生き残るのだよ、と 黒須さんというデザイナーさんを引き合いにお話しされていました。

 

 
 

 

第3部                 
■「新製品目白押しの2010フォトキナレポートをたっぷりと!」
電塾運営委員 フォトキナ特派員 山田久美夫

 

 
 

 

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二 年に一度の恒例!山田氏のフォトキナレポート。私が一番食いついてしまったのは、シグマの1600万画素のフォビオンセンサーを積んだカメラ、SD-1。 そしてニコンのD7000、ソニーのEマウントレンズ群の発表、PENTAX K-5(K7の後継機で、かなりノイズ対策、高感度化、合焦制度がアップし たということです)。これらのカメラは是非次の電塾で紹介したい物です。

 

さて、フォトキナ前日の20日の発表会は7つあったそうです。今年のフォトキナは新製品ラッシュですね。

 

カ シオの新型GPSカメラは世界で初めて自立測位式のハイブリッドGPS機能を搭載したモデル。使い方を聞いていると本当におもしろそう。建物の中などに 入ってしまいGPSから外れても右に何メートル、左に何メートルと距離と方向を測定。またGPS情報をキャッチするとその後さを修正して演算するといいま す。おまけに世界主要地の地図が内蔵されておりその地図に歩いた場所や撮影ポイントをマッピングできるそうです。凄い!。海外旅行には最適です!これに音 声機能が付いて動画機能が付いたら、このカメラが日記になってしまいます。それいいなあ…。

 

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そのほかにはHDR とパノラマはセットで大はやり!だそうです。

 

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フジさんはファインピックスX100を出品。ハニカムじゃないイメージセンサを使用しているそうです。おもしろいのはEVFとスルー画像を切り替えることができるのだそうです。これも今後可能性のある技術だと思いました。

 

そのほかにライカの新製品…機能的にはマイナーチェンジですが、おもしろい変更をしているようです。(距離目盛りがメートル表示だけ、とか)

 

HOYAペンタックスは、K7後継機K-5を発表。ピント制度が格段に向上し、超高感度も51200まで上がり、6400が普通に使えるレベルまで向上したと言います。これも気になりますね。また、動画もFULL HDをサポートしてきたようです。

 

シ グマSD1が発表されていたのにはびっくりです。例のフォビオンセンサーを搭載し、実行画素数約1600万画素!。この方式はきちんと写ってさえいればら くらくと200%拡大できるので長辺10,000pixel…つまり350dpiで70センチオーバーの画像として使えます。これまで問題だった高感度、 質感、ダイナミックレンジ、画素数ともにアップ。使いやすいカメラに仕上がっているものよう。しかもほとんどモアレと縁がない。すっごく気になります。早 く使ってみたい物です。

 

レンズメーカーさんの新製品としてタムロン70−300、シグマ120−300F2.8 など、魅力的なレンズも数多く発表されていたそうです。

 

パナソニックGH2もどの合焦の早さは驚くほどだそうで…。

 

そのほか、レゴではなく、ナノブロックを使ったカメラや面ってかわを交換できるカメラなど、楽しいカメラも一杯紹介されました。

 

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ソニーはNEX用の新レンズのラインアップを公開したそうです。現在の3本に加えて7本。カールッアイスレンズやマクロ、ポートレートレンズなどを2年間で順次発売していくらしい。また、ファームアップでαマウントのオートフォーカスにも対応。

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大きなストロボの追加、さらにEマウントは仕様を公開し、他社でも対応レンズを制作できるようになると言います。これも期待大!

 

ニ コンのD7000に関してはあっさり触れていましたが、その仕上がりはD300Sを超えているらしい…。近赤外線フィルターの効果は大幅に改善され、ロー パスフィルターのチューニングも素晴らしいようです。やっと動画撮影時にシャッタースピードを固定できるようになり、記録方式もH.264/MPEG-4 AVCとなり、期待大です。(でもなぜ秒60コマをあきらめたんだろう??)

 

さてさて、実はここに書ききれないお話、書いてはいけないお話しもいっぱいありました、詳しくは

http://www.digitalcamera.jp/

でゆっくりと堪能してください。

 

でも電塾に来るとレポートにも書けないお話、デジタルカメラJPでも読めないお話を聞くとができる…こともあります!

 

 
 

 

今月の一枚

早川塾長が不在の電塾は金田氏が取り仕切り、内容の濃い一日でした。

懇親会も9名が参加、うち4名は終電ぎりぎりまで新橋で飲み続けていました…。

 

 
 

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なんと、NEX VG10が3台も集まっていました。

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鹿野はレポートを書くためにお借りしていたのですが、そのほかは早速お仕事で使われているようです。意外と話し始めて夫、こんな使い方があるんだ!とかこんな風に使えるんだぜ!という会話が飛び交い、会場でも別空間を形成していました。ちょっと異様??

そ のほかにも山田氏から紹介されていたD7000やK-5なども、会場を回っていました。もちろん、まだデータを持ち帰ることはできませんでしたが、いち早 く触れたことは嬉しい限りです。D7000,小さくて持ちやすく、いい感じでした。K-5の外観はあたしが持っていたK-7とそっくり。でも合焦速度はぜ んぜん異なり、背面ディスプレで見たISO6400の画像は文句ありませんでした。

 

 
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