9月電塾勉強会 「秋はカメラもペーパーも新製品が目白押し!」
 
 
 
 

第1部 ■「 恒例!良いもの・こと 探し」参加者全員

 
 

前日に徹夜していたので、今日は遅刻をさせていただきました。なので、「良いもの、良いこと探し」はレポートできません…ごめんなさい。

 
 

第2部 ■「新しいコンセプトのインクジェットペーパー」

株式会社トクヤマ 藤本 正様

 

 
 


表題のペーパー、実はまだ発売前だと言うことで、これも製品名や発売金額などについてははっきりしたことはオープンにできません。ですが、その「新しいコンセプト」や特性については差し障りがない程度にレポートいたします。


正 体は消石灰がコーティングされたインクジェットペーパーだと考えれば、「あたり」です。消石灰は漆喰の原料。つまり薄い漆喰の層がファイバーベースの支持 体にコーティングされています。通常「漆喰」と言われると石積みや、わらなどで固められた厚い「壁」に塗られたものを想像しますが、これはほんの0.3ミ リ程度の紙にコーティングされています。薄いけれども、漆喰です。


そ れがどのように素晴らしいかというと、まずその質感です。漆喰の壁をご存じの肩は容易に想像できると思いますが、あの「清潔」で(炭酸カルシウムは消毒剤 にも使用されていますので…感覚だけでなく、現実に清潔なのです)柔らかさと堅さを併せ持つ質感(これは硬化した際に多孔質となるため空気を通す…呼吸す る性質によるものです)、そして、混じりけのない美しい「白」漂白剤や、蛍光染料などの「不純物」を一切含まない白は、非理輝く白ではありませんが、落ち 着いた気持ちのいい白です。実は私はこれまで確認したどのようなインクジェットペパーよりも綺麗だと感じています。


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 も う一つはインキの付き方にあります。消石灰層に吹き付けられたインキはその多孔質の隙間に入り込み消石灰から炭酸カルシウムに変化する課程で(二酸化炭素 と結合し、H2Oをはき出して硬化します)インキを中に閉じ込めてしまいます。これにより二つのメリットが発生します。一つは通常のインキジェットプリン トはメディアの表層に吹き付けられ、固着します。どうしても「用紙」の上にインキがのっかているのですが、この場合半分以上は生乾きのメディアの中に入り 込むので直にインクが見えてこないのです。さらに炭酸カルシウムの中に閉じ込められることで、驚くほどの耐光性を獲得します。


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 よ く100年プリントという言葉が使われ、耐光性、耐候性の基準は100年と言われていますが…漆喰に描かれた絵画をフレスコ画と呼びます。アルタミラの洞 窟の壁画は石灰岩に描かれたため、偶然にも石灰岩が硬化する際に絵の具を内部に閉じ込めてしまったことで、今日まであれほど古い時代の絵画を残すことがで きたのです。レオナルド・ダビンチが描いた最後の晩餐はテンペラで描かれました。重ね塗りや書き足し、書き直しが容易で、硬化するにはある程度の時間がか かり、制作時間の制約が無いことが魅力です。この「タマゴ」を絵の具のメディウムにする技法は描くときは書きやすいのですが、100年しないうちに退色、 剥離などのトラブルを起こしてしまいました。この絵はその後何度も修復に修復を重ねて現在に至っています。


一 方ミケランジェロは制作工程が不便なフレスコ画を選択しました。フレスコとはフレッシュ…新鮮という意味です。なぜこのような名前が付いたかというと、漆 喰層が生乾きのうちに絵を描ききることが絶対条件だったからです。この技法は水で顔料を溶かして描くのですが、下塗りされた漆喰層は一日で硬化してしまい ます。いったん乾いてしまうと、絵の具が乗りません。そこで、下地が「新鮮なうちに」描ききることが必要で、フレスコと呼ばれるようになったのです。同じ 理由で重ね塗りに自由がきかず、一度失敗した場合は下地から削り取って書き直します。一日に賭ける分だけを下地を付くって書き上げ、翌日はまたした時作り から始めるのです。制作にはかなりの精神力が必要とされるのがおわかりでしょう。


し かし、「フレスコ」の技法で描かれたミケランジェロの天井画は800年たった今でもその鮮やかさを保ち続けています。炭酸カルシウムの層に保護され、かつ 呼吸をする、そしてバインダー自体が消毒材に使用される物資うという素晴らしい特使絵のおかげで黴びも生えにくいのです。


そ の難しい技法であるフレスコ画は、インクジェットプリンタにベストマッチだと思いませんか?絵づくりはディスプレイ上で十分に追い込み、仕上げはインク ジェットプリンタで一気に仕上げる。まるでこの漆喰ペーパーとインクジェットプリンタ、そしてデジタルという「技術」は昔から出会うことを約束されていた 技術のような気がしてきました。


この素晴らしいメディアは残念ですが、今のところ発売時期は未定です。発表されましたら、すぐに電塾のサイトでご案内いたします。

 

 
 

第3部■「SONY α55のご紹介」

ソニー株式会社 漆戸 寛 様 児玉 信之 様 鈴木 亮 様 永井 敏雄 様

 

 
 

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 ソ ニーさんは前回はコンシューマデジタルカメラNEX-5で参加、凄いことをやってきたと皆をうならせていましたが…今回もコンシューマ機ながら、さらに隠 し球を持って参加しました。それがα55。どこが隠し球買って、「トランスルーセントテクノロジー」です。ハーフミラーを使って測距、自動露出を行うシス テムです。ファインダーはEVF。まさに「イメージセンサに記録された画像をリアルタイムで確認できる本当の意味での一眼カメラです。レフックスも無けれ ばペンタプリズムもありません。


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 かつてキャノンさんがEOS-RTで実現したミラー切れのないカメラを異なるコンセプトでトライしたものと考えればいいでしょう。ほとんどの光はミラーを通過してイ メージセンサに到達します。ほんのわずか…企業秘だそうで数値公開はありませんでしたが、たぶん5%程度の光が上部の測距センサーに届き、リアルタイムで 測距、荒涼測定を行っているようです。ファインダーとして活用する必要がないので、これだけのことができるのでしょう。後ろがほとんど透けて見えていま す。


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 そのほか、最高秒間10駒、下位のコンシューマカメラで好評だったパノラマ、3D

パ ノラマ、オートHDRコントロール、マルチショットノイズリダクション、手持ち夜景モードと盛りだくさんの機能を搭載してきています。もちろん動画も撮影 出来るという盛りだくさんの内容です。個人的にはEVFの出来の良さがとても気に入りました。これならそろそろ上級記にも搭載可能なのではないかと…。


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 ソニーさんって実は動画のカメラも用意していて「NEX-VG10」というたぶん動画のD1に当たりそうなエポック的ムービーカメラをハンディカムシリーズとして発表しています。こちらも期待大ですね。ここ2ヶ月はソニー製のデジタルカメラの話題が多いのです。


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この分解モデルはなかなか素敵でした。ソニーさんの「しかけ」が全部見えてきます!

 

 
 

第3部■「秋の新製品ご紹介」

電塾運営委員 山田久美夫

 
 

新製品のお話し…といってもお話しできないことがいっぱいあり、山田氏も苦しそうでした。もう少し立つと、いろんな情報がお話しいただけるのですが…。


富士フイルムの3Dカメラはとても綺麗でした。単体で思う存分遊べるカメラになったようです。

キヤノンさんからはD60という'7DとKISSの中間的なカメラの発売がありました。ラインナップをそろえているようです。


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 ニ コンD3100も私はあまり注目していませんでしたが、センサーが変わってエンジン変わり、フルハイビジョン24フレーム可能になり、動画中のAFも普通 に使うにはいいレベルまでこなれ、最高感度も12800まで拡大され結構いいできなのだそうです。ちょっと気になりますね。


また、FX対応レンズがぞろぞろ発表されているのは当然対応したボディが拡充される??のか、違うのか…。


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 まだ、発表前でどうにもお話しできないことも多くありそうでした。フォトキナ後には一杯のお話しをお伺い出来そうです。

 

 
 

今月の一枚

 
 

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 α55をしげしげと見つめながら「全部ソニーにしちゃおうかな?」とつぶやく菊池君。

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α55の動画モードで撮影する永嶋氏


なお、10月2日の電塾定例勉強会も有明スポーツセンターで開催されます。

 

 
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