2013年 7月 定例勉強会レポート
7月の電塾定例勉強会は Adobe Creative Cloud 大会を日本印刷技術協会様のセミナールームをお借りして開催しました。フォトグラファーとは切っても切れない縁がある Adobe Creative Cloud のすべてと気になるPhotoshop、Premiereを中心に、昨年仲間入りしたLightroom まで終日 Adobe Creative Cloud についてお話を伺いまました。JAGAT様、Adobe様、ご来場いただいた皆様、ありがとうございました!また、配信を受けて下さった全国の支部の皆様もありがとうございました。
来月の開催は「築地社会教育会館 第3洋室」8月10日第二土曜日の開催となりますのでお間違いの無いようにお願いいたします。テーマは動画特集となります。プログラムは今月中旬にはご紹介可能だと思いますので、しばらくお待ちください。
■午前の部 Adobe Creative Cloud
オーバービューと CC の仕組み
説明、担当:仲尾 毅(なかお つよし)様
とにかくわかりにくかった Creative Cloud(以下 CCと約します)お話しの順番を変えて要約するとこういうことだと…思います。
Photoshop、Illustrator、InDesign CS 、Premiere といった「プロ用のアプリケーション群」は CC に移行した。(PhotoshopElementsなどのアマチュア用のアプリケーションはライセンス販売の形式を維持して残すようです)
CCは「パッケージされた永久的なライセンスをバージョンごとに購入する」かつての販売方法からネットベースの販売となり、基本的に「通常版」と呼ばれるかつてのマスターコレクションを引きついだような「殆どのプロ用アドビ製品を網羅し、それらを自由にインストール出来る資格」を任意のAdobi IDに与える、と言うスタイルに一本化されるようです。そう考えるとやっと今回のシステムはアドビ側が「がんばってシンプルにしようとしている」と取れてきました。
このアプリケーションは「バージョンフリー」となり、最新バージョンを含めて、CS6以降のすべてのバージョンを自由に使用できるようです。(逆に言うとバージョンを上げなくて良いからもう買わなくても良い…と言う使い方が出来なくなりました。どうしてもアップグレードさせたいアドビさんの気持ちがこうさせたのかしら??)
販売形式は全部入りの通常版(月5000円)、企業向けのグループ版(月7000円、いずれか1本のみの単体版(1000円から2200円)のいずれかを選択することになるそうです。
販売方法は年間、あるいは月間の契約となりました。月極の駐車場だと思えば良さそうです。ですので、
「アクティベーションで認証というシステムは廃止」され、新たに「Adobi IDによる管理」となり、一つのAdobi ID には一つの選択肢(通常版とか、単体、あるいはグループ版などのいずれか)が与えられます。
そのため通常版と単体のPhotoshop を組み合わせて購入したい場合はAdobi IDを二つ用意することになるそうです。
一つのAdobi IDではMac、Windows の区別なく2台のマシンにインストールできる。
3台目にサインインしてインストールしようとすると、先の二台のマシンが解除された後にサインインが可能になるそうです。そのあと必要であれば先の二台のどちらかはサインインできるようになるのだそうです。
通常版には新しいツールやLightroomも含まれ、Bridgeも含まれる(通常版のPhotoshopにはBridgeは含まれません!ご注意ください)それ以外に10点以上の新しいアプリケーションが含まれる。20GBのクラウドスペースが自動的に与えられ、サポートも無制限に受けられるようになったそうです。この20GBのスペースはデータを渡す先もAdobi IDを持っていれば「納品サーバ」としても運用出来るようです。さらにトレーニングコンテンツも多く用意されるようです。
と言う事で、今後は「一斉にアップグレード」という物はなくなり、以前のようにばらばらにバージョンが上がるメジャーアップグレードになるようです。これもアドビさんの思惑なのかしら??確かに「一斉」は無理があるよね…。
年間6万円で使用できると言うことはマスターコレクションを毎回バージョンアップし続けるよりは安くなりますね。Mac、WINの区別がないこともありがたい…。ただ、カメラマン2名という当社のようなサイズの会社ではこれだけではちょと足りない…結局Photoshopは単体で追加することになりそうです。「月に3000円で4種のアプリケーションを選択出来る」と言うような月極駐車場ではなく、「好きな物を組み合わせていただく定食や」のようなスタイルも追加されるともっと嬉しいと感じています。(動画を選択するとそれだけで4種盛りになってしまいますけど…)
■第一部 Adobe Primiere Pro CC
説明、担当:古田 正剛(ふるた せいごう)様
Adobe Primiere Pro CCと After Effects は、はるばる福岡からやってきてくれた古田様が対応してくださりました。これ以降 Primiere Pro CC と表記します。このプログラムは、鹿野がどうしても拝聴したくて組んだプログラムです。
Primiere Pro CC は 画像編集のプロとしての進化しているそうです。確かにお話を聞いた限り「画像編集のプロ」向けに出来上がっているようです。と言う事は相変わらずカメラマンには敷居が高い…のかしら?
最新のフォーマットに対応してる…XAVC で4K/60fps のデモでまずドもぎを抜かれましたが…。たぶん私のマシンでは絶対ドライブできません。近い将来にはこれにも対応しなくてはならないのかもしれませんね。
Final Cut Studio から移行したい人のために キーボードショートカットを同一にする仕掛けや切り抜きの強力なツールであるロトブラシ(こちらはAfterEffectですね)音声同期が可能になったマルチカメラにはいきなり食いついてしまいました。そのほか最近買収したカラーグレーディングのソフト、オーディションの進化したノイズ除去の能力などなど、いかにも Pro 編集者向けのソフトでした。複数のソフトを渡り歩いて画像を完成していくスタイルはまさしくポストプロダクション用のソフトだなと思いました…。
ちなみに、2013/07/17水曜日21:00から Adobe Focus In TV「映像塾CC」が全6回 放映されるそうです。http://focus-in.tv/お時間のある方は是非!
■第二部 Adobe Photoshop CC
説明、担当: 栃谷 宗央(とちや むねお)様
先月も栃谷様から解説を頂いた Photoshop CCですが、今回もLightroomから呼び出して使用していました。それがなぜかやっと判明しました。BridgeはLightroomにその道を譲るような感覚があるのかもしれません。Bridgeからのプリント、PDFや JPEGへの書き出しは廃止されたそうです。私も気がつきませんでした。一時的なファイル検索、確認には重宝していたのですが…。
Photoshop CC をドライブするにはマシン性能を可能な限り高くしてくれ!と言うリクエストから始まりました。CPUの速度、コアの数、メモリーの速度と容量、仮想記憶のための高速なSSD…どれも重要なエレメンツだそうです。また、グラフィックカードも重要だそうで…まさしく新しいMAC Proを推奨しているようでした…。ま、「一番高いマシンを」買うのが一番のようです。
機能が高まった修復[ブラシツール]類、動きがスムースなゆがみフィルター、進化した…久しぶりの改良を加えたスマートシャープフィルター、Lightroomライクになり使いやすくなった切り抜き、ぶれた写真を見事に解析する「ブレの軽減」、低解像度のデータを見事に拡大する機能…「ディテールを保持」、[シェイプ]のサイズも形状も作成後に自由に変更できるようになり、さらに複数の[シェイプ]を同時に処理可能になりました。多くのフィルターがスマートオブジェクト化され、3Dの機能も強化されています。うーん切りが無いほどの機能アップですが、アクションに「画像が縦位置だったらこのアクションに飛ぶ」というような「条件を挿入」できるようになっていたのは気がつきませんでした。これ良いですね!会場でも一番食いついていたようです!
さらにLightroomルームの機能強化は[Camera RAW]も同様。便利なカメラRAW フィルターで、殆どの[Camera RAW]の機能がPhotoshop の中で使用できます。特にグラデーションツールを使えるのは嬉しい限りですし、「塗る」事が可能なスポット修正ブラシを始めゴミをハイライトする機能、修復する場所を自動で変更する機能(これはまだまだのような気がしました)、円形フィルターの機能、恐ろしいほどに強化されたレンズ補正、等々…Lightroomはある意味Photoshopとハイアマチュアを繋ぐ意味の[Bridge]になってきたようにも感じました。…と言うよりもLightroomの立ち位置は非常に広範囲にわたり、アマチュアからトッププロまでまんべんなく使用でき、しかもアーカイブ機能を持っていること、元データを持たずともローカルにスマートプレビューとカタログさえあれば現像もセレクトも可能なこと…完璧にネットワーク対応したわけではないですが CCに引っ張られる形でローカルからネットワーク対応へ舵を切り出しているように感じました。