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2012年 9月 定例勉強会レポート

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9月の「一日丸ごとライトルーム」はいかがでしたでしょうか?電塾としても久しぶりの終日企画でしたので、至らない部分もいっぱいあったと思いますが、午前中で27名、午後は40名オーバーの盛況ぶりでした。早速そのレポートをお届けいたします。

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午前の部「優しい電塾」初心者のための「間違いなく始める Lightroom入門」

電塾運営委員 阿部充夫

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 午前中はLightroomをベータ版から使われている阿部氏による入門編です。
Lightroomとはどんなソフトなのか?
その思想、読み込みから書き出しまでの基本機能、各パーツの説明、初心者が陥りやすい注意点などを、 ハンズオン形式でとても解りやすく解説されました。
 Lghtroomは画像のセレクト、そして非破壊処理で作業を行える現像ソフトであると同時に、大変優秀なデータ管理ソフトでもあります。またセレクトや画像処理後に保存をかけなくても、自動的に状態が保持されるというところも従来のソフトと違う点です。
 快適な動作な動作の為にパソコンには4GB以上のメモリを積むことを、氏は推奨されています。
 まず、「カタログ」とは何でしょう?
Lghtroomにおいて「カタログ」とは写真の様々な情報、記録などを格納したデータベースであるといえます。画像のプレビューデータ、保存場所のリンク、メタデータ、キーワードタグ、属性、現像のパラメータなどの情報が管理されます。カテゴリー別に、あるいは仕事毎に「カタログ」をつくっていきます。
 次に「コレクション」。
「コレクション」とは選択した複数の画像をグループ化できる機能であり、これにより異なったフォルダの画像も目的により束ねることが可能になります。
「コレクション」には自分で選んだ写真のグループに任意 に名前をつけるものから、条件の中から画像を自動で追加する「スマートコレクション」、一時的に画像をまとめておく「クイックコレクション」などがあります。

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その後、各パネルの説明が行われましたが、この辺はLightroom4の「ヘルプ」から「モジュールのヒント」を選ぶと、「読み込みボタン」、「フォルダーパネル」、「コレクションパネル」、「フィルターバー」、「右パネル」、「モジュールピッカー」と順番にその部分が黄色く選択され、解説が表示されるので実際に試してみると良いでしょう。
  因に「フィルターバー」では撮影日、使用カメラ、レンズ、保存形式、フラグ、レーティング、ラベルなどを手がかりに「テキスト」、「属性」、「メタデータ」から検索したい画像をフィルタリング出来ます。  
「モジュールピッカー」には「ライブラリ」、「現像」、「マップ」、「ブック」、「スライドショー」、「プリント」、「Web」が並んでいて、作業をシームレスに移動しながら行っていくことが可能です。Lghtroom4ではCamera Raw、DNG、TIFF、JPEGなどのファイル形式、またAVI、MOV、MP4などのデジタルビデオファイルをサポートしています。
 「読み込み」もLR3から「読み込みウィンドウ」が大きく表示されるようになり、判りやすくなりました。読み込みたい画像やビデオのフォルダを選択し、カタログに読み込む方法を「DNG形式でコピー」、「コピー」、「移動」、「追加」の4つから指定します。
またパソコン内のハードディスクやメディア以外からも、カメラと連動させたテザー撮影、Photoshop Elementsや他のLightroomカタログから読み込むなど、様々な方法があります。
読み込みはちょっと面倒という方もいらっしゃるようですが、この作業によって後のセレクト作業なども迅速になる訳です。
そして、あとからも追加できますがキーワードタグを画像につけておくことが、後々データベースとしての管理がしやすくなるコツです。 

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Lightroomのプレビューには写真に埋め込まれているプレビューを利用する「最小」、カメラから得られる最大のプレビューである「埋め込みとサイドカー」、LRが生成したカラマネを反映させた高画質プレビューの「標準」、そして「1:1」(実寸)があります。
「カタログ設定」のファイル管理からは、プレビューのキャッシュについて、サイズ、画質、1:1プレビューをいつ破棄するか、などが指定出来ます。パソコンのハードディスクを圧迫しすぎないように、上手にキャッシュを管理しましょう。
 「現像」、つまり様々な画像処理をした後は、「書き出し」を行えます。CDやDVDにダイレクトに書き出すことも可能です。また「カタログ 」としての書き出しも出来るので、ノートパソコンなどにデータを持ち出す際に便利です。
阿部氏の推奨するワークフローとしては、まず写真をセレクトする(フラグ、レーテイング、カラーラベルなど使用) 。次にライブラリ・モジュールの「自動諧調」でオート処理してから、ざっくりと「クイック現像」で調子を整え、さらに調整を細かく追い込む際には「現像」モジュールに移行して作業、という流れです。
 その他の細かい機能や使用方法などは、午後のセッションのレポートをチェックしてみてください。

レポート・写真:染瀬直人


第3部「私のLightroom活用術…平尾 秀明編」

第3部「私のLightroom活用術…平尾 秀明編」

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平尾氏は日本におけるLightroomのオーソリティーであり、ご自身でも勉強会を開かれたり、ブログでもしばしば検証の記事をアップされてきました。私も過去にワークショップに参加させていただき、また電塾のセッションでもお話しを伺ったことがあります。
 今回のお題は「カメラプロファイル」と「レンズプロファイル」。
開口一番「午前中は優しいLightroomだったので、午後は難しいLightroomで!」。そのひとことで、会場の聴衆はちょっと苦笑い。
 さて、そもそもカメラプロファイルとは、何故必要なのでしょうか?
それはデジタルカメラで撮影したrawデータは色が決まっていないので、それを定義するためにプロファイルというものが必要になってきます。Lightroomの現像モジュールの右パネルの一番下にある「カメラキャリブレーション」が、それにあたります。デジタルの色再現というものはメーカーやカメラによっても違います。ご存知のように、キャノンなら「ピクチャースタイル」、ニコンなら「ピクチャーコントロール」と呼ばれ、昔で言えばフィルムを選ぶかのように、「ポートレート」や「ランドスケープ」、「忠実設定」、「ビビッド」など、被写体や目的によって発色をチョイスしていきます。このLightroomの「カメラキャリブレーション」には、 メーカーのものとは全く同じではありませんが、それらをシミュレーションした「Camera Standard」や「Camera Neutral」などのプリセットが予め入っています。デフォルトの設定としては「 Adobe Standard 」(以前は「ACR」と呼ばれた)ですが、これもAdobeがスタンダードと考えるプロファイルのことを指していて、必ずしも絶対的なものではありません。「2003」、「2010」、Lightroom4では「2012(現在)」のバージョンがあり、選択することが出来ます。
もしそれらのプロファイルで飽き足りないとしたら、その場合は自分で基準となるカラーチャートを使ってプロファイルをつくることになります。その方法は大きく分けて三通りあります。
 
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 ひとつめは、X-rite社のカラーチェッカーパスポート。DNG として書き出せばLightroomのプラグインとしても使用出来、コンパクトなチャート(「ホワイトバランスターゲット」、「クラシックターゲット」、「クリエイティブ補正ターゲット」の3つ)と、無償のソフトが付属しています。撮影環境と同じ光源下でカラーチャートを写し込み、その画像をソフトで解析、自動的に「DNGプロファイル」(Camera Rawでも使用可)を生成する仕組みです。また二種類の光源下における撮影条件に適用する「デュアルイルミナントDNGプロファイル」は、外光と室内光がミックスする場面などで利用出来ることでしょう。
 
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 二つ目は「DNGプロファイルエディター」。
Adobe Labsが無償で提供しているカメラプロファイルの作成と編集のためのソフトです。画像をDNGにしてから、ベースになるプロファイルを決めて、ある色をサンプリングし、カラーホイールで編集していくというものです。日本語のローカライズがなされていないのと、編集の追い込みには難しい点があるかも知れません。 
 そして、三つ目がdatacolor社からリリースされている「スパイダーチェッカー」です。
ソフトをインストールするとプラグインとして利用出来、HSLを調整したプリセットがつくられます。そのプロセスはまずターゲットのチャート画像をLightroomで開き、ホワイトバランスをとり、露光量を合わせ込み、専用ソフトでカメラキャリブレーションのプリセットを保存する、というものです。また”味付け”として、「彩度を優先」、「色測を優先」、「ポートレート」の三種類から、発色を選ぶことが出来ます。注意点は2010年のカメラキャリブレーションを使った方が良い、ということです。
 次にLightroomのレンズプロファイルについてのお話しに移ります。
Lightroomには予め主要メーカーの多くのレンズ情報が搭載されています。レンズ補正パネルの「プロファイル補正を使用」のチェックボックスにチェックを入れると、画像のExifデータから情報を読み取り、使用したレンズの「ゆがみ」と「周辺光量」を自動的に補正し、色収差の除去まで可能になります。もし自動的にレンズが割出されない場合は候補の中から選択します。また、まったくレンズ情報がない古いレンズの補正、あるいは独自の表現を試みたい場合は、「手動」から自由にパラメータを触ることが出来ます。そして、それらをプリセットとして登録しておくことが出来ます。
 
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 また、自らプロファイルを作りたい方は、Adobe Lens Profile Creatorを利用します。
こちらは指定の格子状のチャートをレンズの画角内に最低9カ所移動させて撮影した画像を読み込み、ゆがみや色収差を解析するというものです。
 このような自作のプロファイルは扱いが難しい点がありますが、選択肢を増やせることは良いことでしょう。与えられたものに飽き足りない方は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
 
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 最後にLightroom4になって、現像パネルの「基本補正」の設定が変わった点について触れられました。2010バージョンまでは「露光量」、「白とび軽減」、「補助光効果」、「黒レベル」、「明るさ」、「コントラスト」となっていたものが、2012(現在)では「露光量」、「コントラスト」、「ハイライト」、「シャドウ」、「白レベル」、「黒レベル」となり、スライダーの方向性も統一されました。
しかし、仕様変更によって、前バージョンまでの作法に馴染んでいたユーザーには、どこまでが「ハイライト」で、どこまでが「シャドウ」か?同様にどこまでが「白レベル」で、どこからが「黒レベル」かといった点が判りにくくなってしまいました。それについてはバージョンによる違いや影響をグレースケール画像を例に、スライダーと連動するヒストグラムの変化によって判りやすく実演・解説されました。
また、Lightroom4ではPhotoshopでつくった32bitのHDR合成ファイルをそのまま扱えるようになりました。ブラシによる部分調整も出来るので、Lightroomの現像パネルのスライダーで調整し16bitか8bitに書き出した方が、Photoshopの「ローカル割り付け」というトーン調整方法より優位かも知れません。

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 レポート・写真 : 染瀬直人

第4部「私のLightroom活用術…鹿野 宏編」

鹿野氏は自ら「たぶん日本で一番ライトルームでテザー撮影を行って仕事をしている」と語っております。そんな鹿野氏からどのような使い方が出てくるのか楽しみです。

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撮影からアーカイブまで…ファインダとの連携、ショートカット、処理バージョンなどを絡めて

氏はライトルームがβ版の時からのユーザーですが、当初、仕事上のメインはフォトショップとブリッジだった。その後、現像処理の効率を上げる為にす べての撮影データをサーバに取り込み、現像はニコンキャプチャーNXで自動処理、psd形式で別のサーバに保存。更に納品で求められる形式にフォトショッ プで変換する。これらの作業を3台のサーバを用意し、自動処理システムの構築のために、おおよそ70万円位はかかったという。
ライトルームのバー ジョンが3にアップした時にテザー撮影の機能が追加された。今までのワークフローがライトルーム3だけで出来るのではないかと思い、実際にやってみたら簡 単に出来てしまった。サーバは1台のみでOKだったとのこと。これはすごい!現在、ライトルーム無くしてはワークフローが成り立たなくなる程重要なソフト になっているという。
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この表は6月勉強会「RAW現像ソフト大検証大会」時、湯浅運営委員作成の表を少しアレンジさせて貰った物ですが、これを見るとライトルームのポジションが良く解ります。
ニコンキャプチャーNX2、キャノンDPP、シルキーピクスなどは現像と簡単な編集処理用のソフトで、撮影やアーカイブには別のソフトが必要です。
キャプチャーワンはテザー撮影、現像、編集が出来、機能的にも優秀なソフトですが、アーカイブが出来ません。
撮影、現像、編集、アーカイブまで一貫して出来るのはライトルームだけです。
実 際に使用してみると、テザー撮影は「反応が遅い」とかパソコンからシャッターが切れるるけれど「シャッタ速度や絞りのコントロールができない」「プレ ビューがない」など不便な部分もありますが、ひとつのソフトで最初の撮影から最後のアーカイブまでできるというのが、ライトルームの最大のメリットです。
しかもすべて非破壊処理で、一回ずつ保存作業をする必要がない自動保存機能が備わっております。

異なる複数のカメラを使用しても「アドビスタンダード」で現像すると比較的似たような色調で仕上がるのも良い。新規で購入しても16,800円。

 セミナー中、何度もテザー撮影の実演を試みていたのですがうまく行かず再起動や再接続を繰り返してもダメ。カメラを変えようとした時に、玉内運営委員が「カメラにカード入ってない?」と声が。カメラからカードを抜いたところ、何も無かったように動き始めました。
ア ドビのライトルームヘルプを見るとカードを抜けという内容は無く、「撮影した画像はカードには保存されずコンピュータにダウンロードされます。」という記 述はあるのですが…。(玉内注:誤解されるといけないのですが、カードが入っていても動作はするはずです。でも経験上抜いた方が安定しているもので)        

 鹿野氏の仕事は物撮りが多いということで、テザー撮影のデモも物撮りをイメージしたものでした。
1カット目でホワイト バランス、トリミング、露出設定、補助光などの処理、などをセットすれば、その後の撮影にすべてが反映されます。その結果、先に述べたように取り込み速度 が遅くても、その後の撮影分はすべて処理された状態で撮影が終了することになり、トータルの時間を考えると必ずしも遅いとは言えないと思いますとのこと。

 最後に、アーカイブ機能の活用です。
ま ず、カタログを使用してファイルの場所を追跡したり、ファイルに関する情報を記憶します。つまり、カタログは写真の記録を格納したデータベースのように機 能します。この記録がカタログに保存されます。この記録には、プレビュー情報、写真のコンピューター上での保存場所を示すリンク、写真のメタデータ、現像 モジュールで適用した編集に関する指示などのデータが格納されます。写真をレーティングしたり、メタデータやキーワードタグを追加したり、コレクションで 写真を管理したり、写真をカタログから削除したりするときに、元の写真ファイルがオフラインになっていても、設定はカタログに保存されています。
※一部「Lightroomヘルプ」より引用

す なわち、すべての写真データをこのカタログに読み込んでおくことで、強力なデータベースが、勝手に出来上がります。これほど安価で簡単にデータベースが構 築でき、分類もし易いソフトですから、仕事に、プライベートに使わない手は無いと強く感じたセミナーでした。       レポート・写真:柳川 勤


第5部「私のLightroom活用術…阿部 充夫編」

第5部「私のLightroom活用術…阿部 充夫編」

今日の電塾は一日Lightroomの特集。 阿部氏の講座は、Litghtroomを使いこなしていない私にも、直感的にわかりやすい部分が多かった。

現像モードの階調パネルには「露光量」「コントラスト」「ハイライト」「シャドウ」「白レベル」「黒レベル」などのつまみがあり、それぞれにカーソルを持っていくと、ヒストグラムに処理の適用範囲が表示されるのは3と同じなのだが、それぞれに枠で囲ってあるだけでも何について話しているのか聞きやすく、理解をしやすかった。(バージョン3は「露光量」、「白とび軽減」「補助光効果」「黒レベル」/「明るさ」「コントラスト」表記になっている部分) 
前回のバージョン3と今回のバージョン4では現像時に使える操作パネルが違う。現像パネルの右下に「カメラキャリブレーション」があり、ここで処理方法 を選ぶとインターフェースの違う階調コントロールが現れる。2010と2012の表記になっているが、操作方法の違いに加えて色づくりも変更されているよ うで参考になった。人肌などでは色の雰囲気も2010と2012の処理では違うので、現像時に注意が必要なようだ。

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現像パネルは以前のバージョンでXMPファイルが作成してある場合には、自動的に以前と同じパネルでファイルを開いてくれる。複数のファイルでXMPファイルの存在しない新規の画像が混じる場合には、以前の現像パネルか、2012かを選択できるようになっている。
(個人的には「0」 をセンターに+−で選択できる2012方式がなじみやすい。)

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「ハイライト」と「白レベル」に関してはデータがヒストグラムの中に押し込まれるような形で操作可能になっていて、階調のコントロールはずいぶん作業しやすくなっている。
綿菓子や雲など階調の改善では難易度が高そうなデータがサンプルになっていたが、これは難しいけれど割とよくある場面だな、と思った。
同じデータでも、再現性が違う部分はこういうところにも表れているのだろう。

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阿部氏の講義でちょっと驚いたのは、証明写真を例にしたプリントパネルでのコンタクトシート作成のコツに関して。
LightroomのプリントパネルではPhotoShopのコンタクトシートと違い 配置の縦横の数だけでなく、画像面のサイズを指定できる。このことは今回初めて知ったのだが、私自身が通常の業務で、画面サイズを固定しなければならないコンタクトート状の納品物を作成することがないため、必要な場合には手動で作成していた。
この機能はかなり便利だと思う。ところがファイルネームが必要な時にはわずかに難点もあり、そのことでの注意喚起と対応策は、なるほど、と言う感じだ。

今回は証明写真が題材になっていたが、よく考えればそれ自体身近なものだし、実際に画面のサイズを指定できるのはかなり便利なことだろう。Lightroomのプリントはかなり使えるよ、と聞いていたが普段はBridge、PhotoShopの連携で作業することが多いため、とくに意識していなかった。
 今回の講義をきっかけに、これからはLightroomをもう少し積極的に活用してみようと思う。

 

レポート:坂野則幸・写真:染瀬直人

第6部「みんなで語るLightroom」全員参加のユーザーカンファレンス

6部 司会 電塾塾長 早川廣行

カンファレンスでは早川塾長が司会、阿部氏、鹿野氏、平尾氏、山田氏(順不同)が座談会形式で参加者の疑問への回答、各々の使い方、意見交換などを行った。
アドビシステムズ株式会社の栃谷氏も来場しており、会場の前と後ろで意見や要望、回答が行き来し和やかな雰囲気での進行。
とくに今回は講義全般含め、ケースバイケースで「この部分にこういう機能があれば、もっと使いやすい」と言う声も時々織り交ぜられその度に栃谷氏が頷くような場面も多く、次回の製品への反映が楽しみでもある。12090601.jpg

それぞれのワークフローや意見の違いは自分の作業に活用できることとそうでないことはあるが、参考になるし、自分にその方法論が必要になった時にとても役に立つ。
オートホワイトバランスやホワイトバランスの取り方のコツに関しては、このソフトだけでなく根本的な見え方のところの話も含まれていたし、迷った時の対処法、人間の目は機械的なバランスをとった時にかえって不自然に感じることや、カメラメーカー毎の基準の違い、最新デジタルカメラの画面の部分毎でのホワイトバランス調整の話にも及んだ。
・・最近のミラーレスやコンパクトデジタルカメラには鹿野氏が内蔵されているらしい。

来場者、講師含めほぼ9割以上は所有しているLightroomだが、意外にデータベース管理ソフトとして利用している人が少なかった。データベースソフトとして利用してる参加者は、複数の人間が作業に関わる、よりシステマチックなワークフローを構築している人が多かったのではないかと思う。
データベースソフトでは名前も挙がっていたが、キュームラス、ポートフォリオ、名前は出なかったがACDSeeもある。これらのデータベースソフトと決定的に異なるメリットはとりもなおさず、PhotoShopと同じ現像エンジンを持つ画像処理ソフトを使ってそのままフィニッシュできるということだろう。
データベース管理ソフトとしていえば、ファイル名の変更での利便性も重要なファクターだが、変更を失敗した時の対応法も来場者からの掛け合いやアドバイスもあり、なるほど、という参考事例を間近で体験することもできた。

今回はLightroomがテーマであったが、こういう意見交換や率直なやり取りは電塾ならではだろう。
テザー撮影、現像から画像補正、プリント、データベースまで、ワンストップで作業のワークフローを確立できるこのソフトは、入力から出力データ管理をまかなうためにとても多機能だ。それ故にハードルを高く感じる向きもあるが、それを使いこなせば、今までよりも快適に画像管理ができるのであろう。
今回のような集中講座は、(私のように)このソフトを使いこなしていないような人間にとっては、多くのヒントを得ることができるとてもいい機会だったように思う。

レポート:坂野則幸 ・写真:染瀬直人

今月の一枚

20120901-DSC04979.jpgお昼は近くのお寿司屋さんでした。対面のセットとくっつけるととても豪華に見えます。ごはんが多かったな…。