NEX-5R使ってみました!
5N を購入したのが一昨年暮れでNEX自体が発表されたのがさらに一年前。だいたい一年に一回のバージョンアップを行っているようです。もうすでに多くのかたが購入しているようですが、私も少々触らせていただきました。
待望の E 10-18mm F4 OSS 、沈銅式の E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSSも発表されています。個人的にはこの二本のレンズがかなり気になっていたのです。広角系ズームは文句なしに「必要」なレンズでしたし、常にボディに付けて持ち歩きやすいレンズとして「沈銅式の標準レンズズームが欲しい」というリクエストは以前からしていたのですが、どうやらこのリクエストは私だけではなかったようです。(もともとルートマップにあったのかもしれませんね)
E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS
全体の長さが格納時は単レンズのような長さで、スイッチに連動して伸びてきます。かなり「無理」をしていると想像していたのですが、意外とそこそこに映ります…と思っていたら、やはり無理をしていました。
こちらが16ミリ側で撮影したもの。わざとRAWデータに何の補正もかけていません。中心部から盛大なタル型をしており、周辺なんて「欠けて」います。
こちらがJPEG で撮影したもの。歪曲収差は見事に補正され、やや周辺をカットして「見せたくないもの」を隠しています。筆者はとても驚きました。短くするために後から補正可能な収差は無視して設計したのでしょう。それも「設計方針」の一つとして私は歓迎します。このレンズを作るために、「それなりの時間がかかった」と受け取って良いと思います。
16mm が付いた5N と5Rの比較です。 何しろ、全長を短く設計しやすい以前の16ミリパンケーキレンズよりもちょっと長いだけの寸法はこれまでの「ボディは小さいけどレンズがでかいじゃん!」という印象を一掃し、標準ズームを付けっぱにしてポケットにしまえるのです。このサイズで16-50ミリ…つまり24ミリから75ミリの標準ズームなのですから、「レンズ収差は画像処理で」というスタンスはいっこうにかまいません。「このレンズを使って商品撮影をしよう」という方はいらっしゃらないでしょう。ただ、せっかくコンパクトカメラらしくなったのに、レンズキャップが付いてくる…。どうせならシャッター開閉方式にして欲しかった。アタシは二回ほどこのレンズキャップをなくして、探しに行きました…。是非、マイナーチェンジして欲しい…。
E 10-18mm F4 OSS
超広角ズームレンズは絶対に一本は必要でしょう!(あくまで筆者の場合ですが…このカメラにとって大きなアドバンテージのはずです)これまでα時代の物をアダプターを介して取り付けていましたが、ミラーボックスの長さの分設計に無理があり、大きなレンズでした。ミラボックスがないことを前提に作られたこのズームはボディに対してはやや大きい物の、十分コンパクトだといえます。
新装になった東京駅を広角側で撮影しました。手前の“ぼけ”も綺麗です。超広角なのに、こちらはもともとレンズのいやな収差がありません。設計が最適になされているのでしょう。
東京文化会館の内部です。周辺部まで過不足のない描写をしている。ちょっと値段が高い気がするけど、良いレンズだと思います。
今回は操作系にもかなりの変更がありました。普通に持っていると指がかかってしまい、不要に記録スタートしてしまう「動画」スイッチの場所が変更になり、電源スイッチがシャッター外周に移動しました。動画スイッチがあった場所にはコントロールダイヤルが、シャッターの横にはファンクションボタンが追加されました。最初はかなりとまどいましたが、なれてみるとこれは便利でした。もともと用意されているドライブモード、露出補正、追加されたISO感度以外にファンクションボタンにはフォーカス切換、AFモード、AFエリア、顔検出、スマイルシャッター、オートポートレートフレーミング、美肌効果、画質、ISO感度、ホワイトバランス、測光モード、DRO/オートHDR、ピクチャーエフェクト、クリエイティブスタイル、フラッシュモードから最大6項目を任意に設定可能で、筆者はフォーカス切り替えと AFモード、ホワイトバランスを割り当てて使用していました。
…5N に戻したときに、すでに「かなり使いにくい」と感じるようになってしまいました。うーん戻れないかもしれない…。あと、背面液晶が180°跳ね上がり、「自分撮り」ができるようになったのも面白いですね。自分撮りを私がするかどうかは別として…。
さらに、このカメラを「全くの別物」と感じさせてくれるのが、合焦性能。とにかく早い。きちんと合う。画像がでかくてごめんね。最悪の時は画面にタッチして合わせる場所を指定する。例によってうちの猫をLED光源で感度1600、シャッタースピード1/30F3.5のかなりくらい環境で撮影しましたが、見事に合焦しています。NEX-5Nの泣き所が大きく改善されたといえます。筆者が感じた最大の「進化」であり、このカメラの存在意義だと感じました。
もちろんピクセルチャートを撮影してみましたが、イメージセンサーに大きな進化はないようです。ただし、味付けや高感度のノイズ処理、パラメーターはかなり改良されているようです。感度200は問題無いので、同様の感度400から800/1600/3200/6400まで感度を変化させてチャートを撮影しいます。全体に解像感が上がり、色分離が改善されています。やや強めの彩度設定に変更されたようです。そして凄いのがJPEGの仕上がりです。RAW から 書き出した画像に比較して非常に綺麗です。かなりの処理が行われているようです。RAW のままでは感度3200でかなりのノイズが乗っているのですが JPEG で記録した物には全くノイズがありません。もちろん解像感も失われていないので、かなり上等の処理をしているのだろうなあ、と感じました。さすがに6400となると画像処理だけでは「普通の」写真になりませんが、「暗い場所でのスナップ」としては良い成績です。
上の写真の部分拡大です。
ISO3200で LightRoom でノイズ補正を外したもの。基本はこれだけのノイズが残っているようです。
同様にISO3200で JPEGで撮影したもの。かなり見事にノイズが押さえられています。JPEG のみで撮影している場合はたぶん満足するでしょう!
比較対象になるモノではありませんが、例によって LA-EA2を介して旧タイプの75-300mm を装着。210mm程度で撮影しました。素晴らし圧縮効果がありますが、三脚無しで手ぶれを止めるのが一苦労でした。このあたりはファインダーをもった機種には適いません。最もコンセプトが異なるのであくまで「こういうコンセプトのカメラだ」という事の再確認です。
まとめ
NEX シリーズは5をメインに使ってきました。どうも私に合うのが5シリーズだと言うことでしょう。当初のNEX-5はテストしながらも購入には至りませんでしたが、5Nはすぐさま購入しました。それだけの進化があったという事です。そして5Rを使ってしまった今、素晴らしい合焦性能、操作系の配置及び必要とされるダイアル類の追加、画像処理エンジンの強化、素晴らしいレンズのラインナップ(最もこれはレンズを買い足せば良いのですが…)一年でこれだけ進化する現状をまざまざと見せつけられた気がします。これからはJPEG主体で撮影しようかと本気で考えています…。さて、何所で購入しようか??
そうそう、もう一つの売り物のアプリダウンロード機能、本来はないタイムラプスなどが組み込めると言うことで期待していたのですが、筆者が後半むちゃくちゃ忙しくなり検証できないままでした。これは本対を購入してから、再度レポートしたいと考えています。