今 回は通常の講演以外に、電塾の中身をそのまま支部に配信するという念願のシステムチェックも同時に行われました。有明のスポーツセンターは驚くほど「ネッ ト環境につなげにくい」開場で、本田氏があれこれ考えてトライしてくださったにもかかわらず、途切れ途切れの配信しかできませんでした。やっと電波が入る ロビーから「WiMAX」受信機とイーサネットケーブルで信号を引き込み、「AIrMAC」でもう一度会場にWi-Fiを飛ばし、中継するという試みでし たが、それでも信号が弱かったようです。ただ、問題点の洗い直しはできましたので、4月からは満足な中継ができそうです。良かった!そして乞うご期待!
■静止画は画素数と高感度を両立させつつ正常進化し、動画は飛躍的に改善された「NIKON D4」。ついに3600万画素を達成したフルサイズ機 「D800」の二本立てです。もちろん実機に触れますし質疑応答の時間もたっぷりあります!
説明 株式会社ニコンイメージングジャパン 相馬 政則 様 関口 宏 様
まずは関口様から。昨年の東北、関東大震災、そしてタイの水害という希有な災難を乗り越え、ついにニコンから待望のD4、そして D800が発表になりました。今回はD4とD800を同時にご紹介です。すでにカタログなどでそのスペックは知れ渡っていますが…。
説 明は相馬氏が担当されました。両機種に言えることは撮影以前の情報収集につわれているRGBセンサーが9100ピクセルと大幅に情報量が増えたため、 AF、AE、そしてi-TTL調光、ADL、オートホワイトバーンスなど、その情報を活用しているシステムの精度が大幅に向上したそうです。このセンサー は1EVでも機能するそうです。おまけに光学ファインダー撮影時でも顔認識機能、ターゲット追尾機能がリアルタイムで働くそうです。
さらに「EXPEED3」この驚くほど高速化、高精度かをマルチタスクで処理するエンジンがそれらを強力にサポートします。仕上がった画像の鮮明さがはっきりちがう用です。JPEG画像の仕上がりがとても良くなったようですね!
11点のf8対応フォーカスポイント、51点の F5.6 対応フォーカスポイントは凄いですね!実際に触らせていただきましたが、殆ど明かりを消した状態でも合焦してました!。
さらにレリーズタイムラグ0.0042秒 起動時間0.12秒
液晶モニタも改善が施され、保護ガラスと液晶パネルの空間に樹脂を注入することで反射ロスを抑え、明るい戸外でも認識しやすいようになったそうです。液晶モニタの明るさを環境に合わせて変化させるオート機能も追加…なるほどね…使いやすそうです。
そうそう、やっと水準器に縦方向のパラメータが加わり、立体的に水準を録れるようになりました。
私 がもっとも気になっていたのが動画撮影機能です。仕組みは分かりませんが、ローリングシャッター現象の低減、フリッカー低減機能が追加されているそうで す…仕掛けが分からないので何とも言えませんが…。期待しているのが1920×720p という「リアル画素クリップモード」余計な演算が入らない分、そしてびっくりするくらいの望遠撮影が可能になります!焦点距離が2,7倍ですから、200 ミリレンズが540ミリになってしまいます。余計な演算が入らないので、きっと端正な画像だと期待しています。
やっと…本当にやっと、音声モニタに対応しました…遅いよ!
さらにワイアレストランスミッターも小型になり使いやすくなったようです。イーサネット接続にさえ、対応してました。
もちろんD4は、超高感度、超広ダイナミックレンジ、そしてD800 は3600万画素を達成しています。個人的にはD4が選択肢です!
D800と D800E の差は…電塾の関係者ならこれくらいのことはよくご存知でしょう。
後半は実機に触りながら、様々な質問が飛び交いました。金田氏が熱心にのぞき込んでいます。
私も高感度を試してみましたが…暗くても本当に良く写ります。殆どストロボいらないね…このセンサーの600万画素機ならAPS-Cサイズで作れるんじゃないかしらね?あったら欲しいな!
さ て、このセッションの最後にはニコンさんから「D800とD8000Eのどちらを欲しいか?」という逆質問、そして「D4を受け継ぐD700の後継機はで ないのか」との問いに「それを欲しい人は何人いるのか」というアンケートもありました。まだまだ一眼レの世界は進化し、「ワンショット」では中判さえ脅か すようになってきたようです。
レポート:鹿野 宏
※写真は運営委員の柳川氏にお願いしました。ありがとうございます!
セミナー時のご質問にニコンさんが回答を寄せていただきました。以下に掲載いたします。
Q:D800の動画撮影時のローリングひずみは向上しているのか?。その方法は?
A:原則非公開ですので数値は出せませんが、センサースキャンレートの見直しにより、ローリング歪を改善しております。
Q:HDMIからの非圧縮動画アウトはすばらしいが、音声も出力されるのか?
A:HDMIは音声も非圧縮にて出力されます。 また外部機器にて、音声を別収録することもできます。
Q:スタジオフォトグラファーの主流は圧倒的にMacであるが、ニコンはMacの新OS対応がいつも遅すぎる。D800を出すことで、そのあたりが改善されるのか?
A:D4、D800のアプリはMacOS X 10.7.3に対応済です。
Q:Mac(Lion)には対応していないのか?
A:最新のOS10.7.3にCaptureも対応しております。
Q:RAW現像ソフトの進化は?
A:最新のCaptureNX2は高速化されています。CNX2は安価なソフトで、かつRAW ファイルでかなりの機能が使えます。 フォトフィニッシングソフトとしては、優秀です。2.3.1でお試して下ください。ニコンD−SLRの特性を生かしたRAW現像を実現しています。従って諧調特性は他社アプリより優秀です。
Q:D800Eのモワレはソフトでは軽減しきれない?。
A::NEFファイルであれば、CaputureNX2でモワレリダクションが使えます。 3段階で機能します。モアレは色付により目立ちます。色モワレリダクション機能により解像感を残しつつモアレを軽減しています。輝度モアレを溶かすような他のアプリだと、解像感が低下する可能性が有ります
第3部■ 最新待望のニュース!「今春の新製品紹介」
ご説明 電塾運営委員 山田久美夫
な んと3月2日、つい昨日にに発表されたキヤノン5DMIIIを即座にレポートしてくれました!。ニコンさんは第一部に実機をもって登場していただけました ので、そのほかの素晴らしい製品群を40分という短い時間で解説してくださいました!。実機はないものの、山田氏はかなりの入れ込みようです。曰くファイ ンダーを覗いた瞬間に「これは違うカメラだ!」2230万画素で画素数に変化はないけど、イメージセンサーはマイクロレンズと転送回路を全く見直した新開 発だそうです。そしてデジック4の17倍の速度で補正を書けるそうです。しかも最高感度が24600…。このカメラも凄いできになってきましたね!。
オ リンパスの「OM-D」懐かしいスタイルです!ホントに昔のOMにそっくりです。これはファンはたまらないでしょうね!レプリカ的な出来はほれぼれするほ どでした。(アタシはMX はだッたんですけどね)でもこれはEVF搭載!防塵防滴でちょっとした雨の中なら問題なく撮影できるそうです。
さ らに SD1メリルの話題!イメージセンサーの歩留まりが圧倒的に良くなったおかげで7-80万円で売ってたカメラが20万円弱で販売されます。おまけにSD- 1を高い値段で買った方には40万円のシグマ製品券が付いてくるそうです。凄いことですね!そして、同じセンサーを搭載したDP1/DP2も企画されてい るそうです…ものすごく楽しみ!フジの X-Pro1これも新機軸ですね。でかいけど、また、新しい構造のイメージセンサーを搭載しています。X -Trans COMS…配列を工夫してローパスフィルターの搭載を不要にした物です。感度も解像感も圧倒的に高くなるそうです。これも凄い技術ですね。演算速度が高速 になたからこそ、実現できたシステムでしょう!
今後大化けするかもしれない技術…ソニー製の積層型CMOSこれも凄いですね。イメージセンサーの後ろ側に処理回路をを搭載。イメージ処理をセンサーが処理して後工程に渡してしまうという技術。RGBWというセンサー配列も携帯用として開発されているそうです。
エトセトラ…エトセトラ。今年は新機種が花盛りで凄いですね。CP+で発表になったカメラたち…ものすごい数です。 迷ってしまいますね!
レポート:鹿野 宏
※写真は運営委員柳川氏
第4部 プロテックスのライティング機材/PLMアンブレラ、バカボンドミニ
株式会社プロテックス 営業部 関口知恵子様 電塾運営委員 菊池 斉/染瀬 直人
最初に株式会社プロテックス 営業部 関口知恵子様より製品説明
昨年末よりwebサイトのprotex shops(www.protex-shop.com)で発売している製品です。
今回のデモの製品も耐久性にすぐれコストパフォーマンス良しとのご説明。
耐久性があってコストパフォーマンスが良い?本当かな〜?ちょっと疑問。
そこで、菊池運営委員の登場です。
このアンブレラみてください骨がグラスファイバーなんですよ、折れにくいんです。
ロケの多いカメラマンにとって丈夫さやセッティングの速さは大切なことじゃないですか!と言いながらPLM アンブレラを手にとり、どれだけ素早く思い通りのライティングができるか見ていて下さいと一人で実演開始。
ぱっとアンブレラのLサイズ(直径189センチ)を開き、トントン拍子でセッティング、カメラとPCは会場内にセッティングはされているもののわずかな時間で、素早く1発目のテストシュート、モニタを覗きこみ「ウーン」と唸り「モデルの顔のテカリが駄目!」と言い放ち…。
ストロボから素早くアンブレラを抜いたと思ったら、巨大アンブレラにフロントディフューザーをバサッと被せ2発目のテストシュート。
そして、菊池カメラマンはニヤリ!ライティングOKの表情。
ここで、驚いたのが直径189cmものアンブレラにフロントディフューザーをわずか30秒でセッティングしてしまったこと。
私はこの様子を録画したビデオを見ながら計測してしまいました。
大きな傘に一人でディフューザーを被せて30秒は速いですね。昔は傘トレを綺麗に素早く作れることが、出来るアシスタントと言う時代がありました。
もうこのアンブレラにはアシスタントはいりません。
今の時代のカメラマンは一つの撮影に時間をかけられません。
信頼出来る道具を使い、流れる用にスピーディに仕事をこなす。カッコいいじないですか!
染瀬運営委員は動画のデモ、仕事の流れで一人のカメラマンでスチールからムービーの撮影までこなす事もあります。
そこで、ホワイトアンブレラをストロボに逆にさし透過する光を使い、スチールでストロボ撮影そしてムービーではモデリングライトを使いテキパキと撮影するスタイルを提案。
また、PLMアンブレラの骨の本数はグラスファイバー製16本骨。(市販のアンブレラは8本骨が多い)骨の本数が多くなる程アンブレラの形は円に近づきます。
ということは、モデルさんをアップで撮影すると、キャッチライトが丸く綺麗に入るのです。作例ではモデルさんの瞳がキラキラ輝き、会場内は「オー」とのどよめき。
ここまで簡単に素早く今までとは違う表現が出来ると、仕事の幅が広がる気がします。
音の事ですが、会場のデモ用のストロボはファン付きでしたが、同録撮影の場合はファンなしのストロボにした方がファンの音を気にしなくて済むかも知れません。
私はアンブレラに関しては、あまり深く考えた事も無かったのですが、これは面白そうですね。色々やってみたいですね。
それを実現させてくれるお値段なんですね!
なんと、そのお値段はサイズLシルバーのアンブレラ直径189センチ が、何とどーした事かご免なさいの\12,000弱で買えてしまうんです。
この大きさで、この値段。ちょっと欲しくなりませんか?
会場から「そんなでかい傘、俺の家だと開いたら天井突き破るぞー」との声。でもご安心ください。
S.M.Lサイズのアンブレラとアクセサリーも豊富に揃えているとの事です。
そうそう、忘れてはいけません。デモの電源はバカボンドミニです。
菊池カメラマンはバカボンドミニを使用して軽快に撮影していました。もちろんチャージを速めるために撮影中はモデリングを消しています。
200W の出力でチャージが2〜3秒位、チャージが遅いと思うならもう少し出力を落す。またはカメラの感度を少しだけ上げる事で対処できると思います。
昔の小型発電機の使いにくさやドラムコードでのAC延長の手間を考えると夢の商品ですね。
発光回数は150W で1000発位。持ってみましたが想像以上に軽い1.6kg、場所を選ばずモノブロックが使えてしまう状況ですね。
そして、個人的にお気に入りはPCの電源もとれることです。これで、外ロケも怖くないですね。もう、バッテリー切れを恐れることは無いのです。
どんどん撮影にのめり込みましょう。
今の時代のカメラマンに求められる素早い撮影、それでいてクオリティーは落とせない状況でたよりになる製品ですね。
また、ちょっとした投資で今まで体験出来なかった光の表現を手にいれる事が出来るのです。
ちょっと気軽に使ってみたくなる、気になる製品でした。
最後に塾長や玉内運営委員から野外でアンブレラを使う際の秘伝を伝授して頂きました。これには会場内がまたもや「オー」のどよめき。
気になる方は電塾にお越し下さいませ。
レポート写真 電塾運営委員 北英樹
今月の一枚
懇親会でもさらに配信テストが続いていました…。
私が制作したクリップオンストロボの簡易拡散装置、結構受けていましたね。プロテックスの関口さんをモデルにして撮影会です。
さらにさらに…柏原君や玉内さんも興味を示してくれました!製品化は近い!!!?
ニコンD4を構える早川氏。思ったよりも大きいですね。