冷たい雨が降る中ではありましたが、おかげさまで80名を超える参加者、60名を超える懇親会参加者で終日賑わう全国大会になりました。
15回の歴史上始めて会員総会を開催しました。また、懇親会の二次会では新たに運営委員に名乗りを上げてくださった方々もあり、有意義な一日でした。
来年度は2月10日(金曜日)の電塾 in PAGE2012からのスタートとなります。会場は池袋サンシャインシティ コンベンションセンター TOKYOです。場所と開催曜日がいつもとは異なりますのでご注意ください。
なお、詳細は新年に発表いたします。
プログラム1(ビギナーズ)
1st. 玉内公一:デジタルフォト再入門
良いタイトルですね。思わず拝聴したくなります。
お話しの骨子はデジタルフォトが…カメラもアプリケーションも進化した今では初期のワークフローに振り回される必要も無かろうという物でした。
ま、これが「再入門」な訳ですね。
特にデジタ ルフォトの適正露出はむちゃくちゃ幅が広いと言えること。銀塩はある絶対値の幅に納める必要があり、これは厳しく制限されていましたが、デジタルの場合、 ガンマカーブを自在に変更出来る事、ハイライトセットアップが自動で容易なことを合わせると、5絞り差くらいはカバーできてしまう(高感度さえ使っていな ければ)のは事実です。
RAWと JPEGはどちらが良いのか、という命題では「カメラに搭載された優秀なASIC の能力を最大限に使うのであればJPEG 出し、露光幅やホワイトバランスの再設定を活用したいならRAWだろうという物でした。 確かに私もこれまではRAW+JPEGで撮影し、JPEGをバックアップ扱いしてきましたが、最近はJPEGを使用して問題がルカットだけRAWから書き 出し直しする事が多いようです…。デジタルカメラの自動露光とオートホワイトバランスの性能が上がったことも手伝って JPEGがどんどん良くなってきているのは間違いないですね。
また、メーカーによってはカメラ内部で設定したパラメーターがJPEG に適用された場合と RAWデータに適用した場合で欠課が異なる事もあるという検証もされていました。
目の自動調整機能が私たちにもたらす錯覚です。この図のA のグレイと Bの白の明度は全く同じです…信じられますか?
こっちはもっと凄いです.
グリーンの矢印で差された明るい側のチョコレート色と暗部におかれた鮮やかなオレンジが全く同じだというのです。嘘だと思ったらダウンロードして確認してみてください…それで嘘だと思いますよね。
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色合わせに使用するなら[特定色域の選択]も良いけど、「コントロールポイントを使うのもいい手だよ」とおっしゃっていました。確かに!
ライティン グも同様に過去の「デジタルカメラはダイナミックレンジが狭いから光を廻し手コントラストは後から付けよう」的な事はもう遙か昔のお話になりました。光を どのように当てるか、どのような光質を選択するかは変わらないけどシャドウ側の設定値に関しては「撮影時にコントロールするか、現造次にコントロールする か、好きな方を選べば良い」とおっしゃっていました。確かにRAWで撮影していればよほどの露出ミスをしない限り後からかなりのところまでコントロールす ることが出来ます。 撮影シーンに合わせるという考え方は間違いないでしょう。
最後はこのような言葉でくくっておりました。
時間軸に縛 られない、時間を止めた写真は光によって描画された平面である。それ故動画には無い「特異点」を持つ物だという認識を持とうと言われておりました。なんだ か良い言葉ですね。動画を否定するわけではありませんが、写真の良さを見失うことはしてはいけないと思いました。
このセミナーレポートは鹿野が担当しました。
プログラム1(アドバンスド)
6.st. 郡司秀明:iPadのカラーマッチング&TGツール
近日公開!
プログラム2(ビギナーズ)
1st. 柴田 進:カメラマンのためのMac・Windows入門
近日公開!
プログラム2(アドバンスド)
6.st. 鹿野 宏:私の撮影術(Lightroom活用実技)
12月に恵比寿で開催するのはいつ以来だと過去のレポートを見ていたら2006年以来なんですね、5年前!皆さんもよろしかったら、過去の勉強会レポート見直してみると良いですよ、たくさんの変化を感じられます。そう、鹿野さん太ってたな〜・・・とか(笑)
コマフォトでも動画の記事を書かれるようになった鹿野さん、講義にも動画を採用されるようになりました!今回はご自分のお仕事の撮影風景を包み隠さず動画で撮影してきたものを公開!
「そこまでやるか〜っ」て感じですが見る方としては「はっきりいって面白い!」でもそれはサービス心旺盛ということではなく、教える事は教わる事! どんどん公開して、その先にいつも行ってしまう勉強家、ほんとミスター電塾ですね(だれですか、たまに暴走するじゃんって言った人は?笑)
それから皆さんもいつもお世話になってるLightroomのお話。
「イガイと上手に使えてないですよね〜」という言葉からはじまりました。確かにそうなんですよね、必要最低限だけ使えてしまうと、それ以外知らなければそのままというケース多いかもです。
「こうだったら良いのに!」とか「こう使えないのかな?」とか、疑問を感じたら「すぐやる課の鹿野さん」。ライトルームでリネームできたらな〜とか、見ているデータのFinderを簡単に見に行けたらな〜とか、みなさんはご存知でしょうが私は知らなかったな〜。
それから、カタログ化したものからカタログの切り出し(書き出し)!知らない方はこれは覚えておきたいですね!鹿野さんの場合、一先ず撮影して来た データは全部、お決まりのカタログになんでも放り投げてしまう、Step1のカタログがあるのです!当然セレクトもLrでしてまいます。
個人的にはクライアント別にカタログ化しておけば良いかなと思いましたが、もうやった仕事別に好きなようにカタログ化して、セレクトされたデータと カタログデータ、そしてプレビューデータの3点セットで保存しておくと云うもの(これを鹿野さんは湯浅式と言ってましたが)Phase使って CaptureONE使ってる人なら分かりますね!いちいち読み込む度に作るのではなく、あとからカタログとして切り出せるのは、これは必須ですね!
大掃除の時期です。同じ悩みで散らかったデータを、この年末されてみては!?簡単です、ライブラリーの作成したフォルダーを右クリックして「このフォルダーをカタログの書き出し」が現れます!
ちと、褒め過ぎでしたかな?でもね、ここだけの話ですが、鹿野さんの自宅にあったコマーシャルフォトには、赤ペンでマーカーされているページがありましたからね!!!驚
レポーター;菊池斉
鹿野の追加検証です。ライトルームのリネームで「すでに書き込まれているネームの一部修正」をする場合、「ライブラリ」の「右パネル・メタデータ」 内の「ファイル名」を直接編集することで実現可能でした。皆さんはご存じでした??私は2011年12月10日に初めて知りました。アドビの方もこれまで これを一度もお話してないと思います…。
プログラム3(ビギナーズ)
1st. 上原ゼンジ:レタッチ・カラマネ・ブレ写真
レポート 電塾運営委員 柳川 勤
プログラム3(アドバンスド)
6st. 石川 幸宏氏:フォトグラファーの為の動画講座
石川様は以前にも電塾で「今の動画の潮流」と行った物をお話しくださいました。今回も最新のニュースを取り入れ、特に私の中で評価が低かった CANON C300
が持つ魅力を存分にお話しくださいました。
大きなテーマは4つ。特に驚かされたのはLog 収録のデジタルムービーカメラ…聞き慣れない言葉です。
私たちもさんざん口にしてきた言葉ですね。おさらいの部分です。
そして現実がこれです。あらゆる場所でSLRデジタルカメラが使用されています!しかもそのほとんどがキヤノン製。
特にこの周辺機器の市場は凄いですね。こんなに盛り上がっている市場は他に無いでしょうね。アタシはいらないけど…。
そしてこの秋にキヤノンが発表したデジタルムービーカメラ。これだけ巨大なメー カーが出す以上、それなりの「信頼性」があるだろうと言うことは大きな事ですね。もちろん動作に関しても、品質に関しても…。スペックは現在のデジタルカ メラを知っていれば、「ああ、確かにそうだよね」というスペックに見えます。大きなセンサーで一ドットの開口部も大きいのだからこれくらい出来て当然で す。
石川さんの人脈で取材した様々なアーチストの生の声が印象的でした。
そして実はこのカメラはLog方式でデータを記録するのだそうです。Log 撮影 とはコダック社が開発した CINEONファイルフォーマットのことをさします。値が濃度をリニアに符号化するため、そして値が濃度をlogというので便宜的にLogフォーマットと 呼ばれているようです。 メリットを見ると「ダイナミックレンジを広く記録できるため、後々の加工でシャドウ部を持ち上げても劣化が少ない…しかし、RAWデータでは無いので、小 さい容量で記録できる」という物。JPEG2000のような差分を記録した方式でもなさそうです。
どうやら「ガンマをかけた後のデータをリニアに割ることによってハイライト側の 無駄なデータを見た目方向で均等に分布させ、階調性を高める」「記録の際には符号化されて圧縮される」「10ビット記録されている」というのが仕掛けの一 つのようです。これから詳しく調べてみます。
今回はそのLog方式をキャノン独特のアルゴリズムで記録をしているようです。展開時に注意が必要になるかもしれません。
と言う事でこれは「やはり凄いカメラなんだよ」と言う事でした。確かに「映画」を本格的に撮影するにはそれように作られている方が正解になりますね。このカメラに関しては少々見方を修正しようと思いました。ただ、普通に私たちが購入するもので華佐宗です…。
石川氏のセミナーレポートは鹿野が担当しました。
プログラム4(ビギナーズ)
1st.山田久美夫:デジカメ画質比較サイトのプレ公開
ご存じ「 DigitalCamera.jp」を主催する山久美さんです。
現在山田氏が準備をしているサイトの紹介です。「いいカメラ.jp」という名称 になるようですが、これ、かなり面白そうです。コンシューマデジタルカメラを中心にミレーレスまで含めて画素数、解像感、感度、ズーム比、レンズの明る さ、などをできる限り平たく「比較」して自分が欲しいカメラを決定する為の「基準線」を提供しようという物です。一眼レフなどではドイツやフランスにその ような機関、あるいはサイトがあるそうですが、コンシューマカメラでは現在存在していないそうです。まして日本には全くないと言っていい…
画期的ですが、これ大変でしょうね。一社だけでも数種類のデジカメを年二回は発表し、それが10社以上あるのですから…。今でさえ忙しいのにもっともっと忙しくなりそうです。それに電塾向けには一眼レフもテストしてくださるという…。ありがたいことです。
ドイツの Image Engineering社が開発しているテストチャート 「TA42」を撮影し、それを IQ-ANALYZERを使用して様々な判定を下す物です。このチャートはいろいろな仕掛けがしてあり、ダイナミックレンジや色彩を正しく再現している か?解像度、枯れ葉チャートを使用したノイズ、シェーディング、ディストーション、おまけに白人、黒人、黄色人種の女性が配置された視覚判定用の画像もあ りますが、山田氏はここを独自のチャートに置き換えていました。1-3ピクセルの色相分離能力を判定する能力はなさそうです。(電塾チャートの方が優れて いる部分ですね)
他にもフランスの DXO社のチャートなどが有名どころだそうです。また、これらのチャートはカメラメーカーもかなり導入して実際に使用しているということでした。(もちろん「参考」にしているだけだと思いますが…)
ターゲットの色ずれを自動判定しています。グリーンが元画像とほぼ同じ。黄色オレンジとどんどん離れていき、赤くなると元の色とは似ても似つかないことになります。但し、これは明度も同時に判定しているようですので色相や彩度だけではなさそうです。
レンズの中心部と周辺の解像力を比較している物です。これはわかりやすいです ね。こちらのサイトはこのようなチャートから得た情報をベースにカタログデータを比較出来るようになっていますが、実際にチャートを掲示することはしてい ないそうです。レゾリューションなどはその結果の数値が書き込まれるそうです。
「いいカメラ.jp」オープンがとても楽しみです。
山田氏のセミナーレポートは鹿野が担当しました。
プログラム4(アドバンスド)
6st.永嶋サトシ:ディープフォトショップ
山クミさんとぶつかった、この時間のこちらの会場は永嶋さん。満員御礼でした!はじめにJPEGの保存に関してのお話があり、最後にPhotoshopのチップスの話でした!
劣化を分かりやすくする為、写真の部分的な場所をトリミングして、TiffとJpeg12〜0まであらゆるものがどう変化するかの検証結果でした。
見た目としては、プロジェクターとスクリーンの制度に左右されてしまいますが、そこは永嶋さん!再保存かける度に変化する、ファイルサイズの容量の変化に注目したお話でした。
種明かしとしては、何回保存したか記録されることで蓄積されるメタデータのようなのですが、いろいろ不思議な事が・・・。ね、実にディープでしょ!
それから、Photoshopで球面フィルターをかけた際の、周辺のジャギーを滑らかにする方法をご披露いただきました。実に、面倒な作業ですが、 Photoshopは行き着くところまで行くと、このような細かい作業になるとの事でした。レポートできる程、簡単でないので詳しく聞きたい方は電塾にお 越しいただいて、直接聞いてください!笑
レポーター;菊池斉
総会 参加者全員
懇親会ガーデンプレイスハイナンチーファン
初めての総会で参加した全運営委員が挨拶、各支部からの報告がありました。
本日参加、ご挨拶した運営委員の面々です。
電塾が終わったころには雨も上がり、少しは暖かくなっていました。お店は
シンガポール海南鶏飯 恵比寿ガーデンプレイス店
珍しいシンガポール料理は東南アジアと中華料理が融合したような味で私は大好きでした。
2時間はちょっと時間が短かったかな?ハイナンチーファンと読みます。
塾長挨拶の後は前野氏が乾杯の音頭を取って懇親会に突入です。
おかげさまで懇親会もむちゃくちゃ盛り上がっていました。
皆様、良いお年をお迎えください。
2012年は2月の PAGEでお会いしましょう!