デジタルカメラの基本というどうも漠としたテーマですが、山田氏は鋭い切り込みを入れていきます。デジタルカメラをパーツに別け、それぞれに解説していくという手法をとっていました。
まず、レンズ、撮像素子、処理回路、記録媒体、ボディと分解し、それぞれに解説を加えていきます。

撮像素子はもちろんCCDとCMOSに付いて、それぞれの長所と短所を紹介。また、CCDを搭載した現行機種、CMOSを搭載した現行機種とサイズによる特性の変化を解説。フォビオンの話題も交えながら、今後の撮像素子はライブビューの問題も含めてCMOSにシフトしていくだろうと予測していました。
AFE(アナログフロントエンド)とDSP(デジタルシグナルプロセッサー)という二つの回路がデジタルカメラには搭載されており、前者はAD(アナログ-デジタル)コンバーター、後者がASIC(Application Specific Integrated Circuit)。
キヤノンなどはDIGICと読んでいるものだ。AFEがイメージセンサーが捉えた微細な信号を増幅してデジタル化し、DSPに送り込む。ここできれいなデータが出来ないと、後々まで響くことになり、結構重要なポジションなのだそうだ。ただしCMOSの場合は各画素にアンプが直結しているため、AFEは不要になるということです。
DPSがデジタル信号を処理して画像を生成する。デジタルカメラのエンジン部分ということになります。こいつのチューニング次第で画像はよくも悪くもなり、F1その物だといえるでしょう。
さらにメディア、メディアに至る通路、カメラの機械としての精度などを加え、現行機種を超辛口で一刀両断しました。(もちろん、現行機種はどれをとっても十分な品質であるという前提で、です)
30分コースなのに、気がつくとほとんど1時間お話をされていました。普段は単に道具として見ているデジタルカメラにはこれだけの仕掛けがあったんだな、と改めて気がつかされました。ついつい、ミラーボックスと撮像素子、ペンタプリズムとマウント位しか思い及ばないので、たまにはこういったお話を聞くのも有益だなと感じました。

report by 鹿野