今月の勉強会はスタジオエビスにて開催されました。
今月の勉強会のお題はカメラバックタイプの最新機器の体験会と言うことですが、ハイエンドタイプと言うこともあり、会への参加がやや少ない感じでした。
塾長からも「ハイエンドデジタルバックタイプがテーマの勉強会は35ミリタイプのデジカメをテーマにした時と比べると参加者が少ない。なぜなのか?それをメーカーも考えるべきではないか?ただ、機運としてはバックタイプへと言う盛り上がりがある。また、残念ながら、ギリギリまでマミヤZDのデモを交渉していましたが今回はご紹介できないことになりました。」というお話から始まりました。
僕自身、35ミリタイプのデジカメでデジタル撮影をしていますが、そこからのステップアップはなかなか難しいと思っています。金額的な面が大きいのですが。しかしながら、ここ数年、急激にバックタイプのコストダウン競争が始まっています。もともと35ミリで仕事をしてきたカメラマンはすでに35ミリタイプのデジカメを導入済みですが、今後はもともと大判、中判カメラ使用だったのプロカメラマンが続々と35ミリタイプのデジカメからバックタイプのデジカメへシフトしてくると思われます。
メーカーもユーザーもタイムリーに半歩先の機材を導入していかないと、商売の時機を逸するのではないでしょうか?
その意味でも、今現在は「そんな高いカメラ、縁がない」「買えない」と思われている方も「次の一手」の為にこういう勉強会で備えるべきかと思います。
今回の参加者の中でも「今日デモした中のどれかを買う予定で来た」とおっしゃってい方もいらっしゃいました。
参加者の自己紹介ですが、やはり、35mm使用のカメラマンからデジタル化が始まってぼちぼち4×5使用のカメラマンがデジタル化してきているというお話がありました。
運営委員の金田さんからはデジタルシュナイダー24ミリ(エレクトリックシャッター付き)やiMacG5のスタンドを紹介して頂きました。
また、林間学校の撮影現場から直行していらして頂いた方や、最近、若い頃にお金が無くて買えなかったカメラを中古屋で見つけて、思わず買ってしまったという方もいらっしゃいました。
別にデジタルだからとか、アナログだからとかではなく、単に写真が好きという方が多いのにはホッとさせられました。
フェーズワンジャパン プロダクトマネージャー 下田貴之
最新 Capture One 3.7とP25 及び新機種情報
フェーズワンからP45,30,21の3タイプが発表されました。そのお話は後ほど・・・
まずは現状のラインナップですが、フェーズワンは現在、HとPの2タイプで構成されます。Hタイプは液晶レス、パソコンに繋いで使用する物と Pタイプは液晶付き、スタンドアローンで使えるカメラバックです。
今回はP25を使ってのデモになります。
まずはソフトの説明から。
フェーズワンの特徴ですが、専用ソフトC1proのインターフェイス、直感的な操作性が上げられます。現在のバージョンはv.3.7.1(win、Mac両対応)で、他社の一眼レフタイプ、コンシューマー向けデジタルカメラにも対応できる汎用ソフトです。
画面でツールスイッチを左から右に行くと画像が完成するというわかりやすい構成になっています。
FireWire接続されたP25と、撮影を始めると新規セッションを作ります。
カメラ設定では感度50から800まで可能です。また、余談ですが、
キヤノン製の一眼レフカメラでもソフト上から連結撮影できます。
キャプチャー後は、ホワイトバランス 、トーンカーブ 、フォーカス確認、シャープネス、プレビュー
、現像と進んでいきます。ウィンドウはMacのみカスタマイズ可能で、Macファンにはそれだけでもうれしいでしょう。
最近重要視されているタグ付けですが、色で3色、数字で9段階までタグを付けることが可能です。
実際に使う時の注意点としては、構造上、画像のプレビューを別に作成しますので、そのプレビューホルダーを常に画像本体とワンパッケージで保存しておくのが良いかと思います。
次にP25の説明ですが、コダック製CCD4:3の画角で2500万画素のデータを作成できます。バッテリー内蔵、CFカードスロットを持っているのでカメラ単独での撮影が可能です。毎分35コマの撮影が可能です。1GBCFで38枚、また、圧縮機能付きですと、48MBが25MBと15MB(IIQ
RAW ラージとスモール。スモールはロスあり)に圧縮記録できるので、ロケにも便利でしょう。注意点としてはスタンドアローン撮影では常時圧縮記録方式になります。当然、速いCFだと間隔が短くなります。うれしいところとしてはFireWire接続6ピンでバッテリーなしでも駆動します。バッテリー1本で約250ショット撮影可能です。
面白い機能としては、ホワイトアクリルを撮影することにより、その撮影画像から色むらを計算して、逆に色むら削除する機能があります。(レンズキャストキャリブレーション)また、同社の特許IIQは16ビットイメージをRAWファイルフォーマットに変換するエンジンですが、なんでも6000万画素でも対応できるように設計されているそうです。
なお、今のバージョン3.7.1ではモアレ除去機能はありませんが、次の3.7.2のバージョンではモアレ除去機能が付く予定だそうです。
さて、お待ちかねのフェーズワン新製品情報。
先に発表されたのはPタイプの3機種のカメラバックです。
- P45 11月予定(年末か?) 3900万画素(コダック製CCD)
- P30 年末から年明け?3100万画素 モアレが少ないことを目的にしている。 人物撮影に特化 新ソフトとの組み合わせでモアレフリー。中判専用か?35ショット毎分
- P21 (来年の春頃?)モバイル用か? 最速の取り込み 1ショット毎秒
なお、今月26日にスタジオエビスでフェーズワンフェアを開催するそうです。ですが、新型の現物はないかも?と言うことでした。
参加者からの質問では、価格のことがありましたが、価格は未定だそうです。またHシリーズは無くなるのか?と言う質問では、H25はスタジオ撮影でまだまだ需要があるそうです。また、H20はアジアで売れているので、すぐには無くなると言うことはないでしょうということでした。
日本シーベルヘグナー(株)プロ機材営業部 森豊雅一
最新 Capture ShopとeMotion22のデモ
まずは森豊さんからジナーとeyeライクの業務提携の説明から入りました。 本国のジナー社がジェノプティック(jenoptik)と業務提携を結ぶことにより、
ジナーは大判カメラからデジタル機材にシフトする方向になったそうです。
販売チャンネルはジナーに統一し、ジナーブランドを今後も拡充していくそうです。
アイライクとはハードウェアの共同開発、ソフトウェアの共同開発を今後は展開していきます。
ソフト面ではジナーキャプチャーショップをベースに開発を進めていきます。
ハード面では充実したジナーシステムの資産を生かす新しいモジュールシステムを継承していきます。
カメラの説明ですが、スタジオ、建築撮影用ビューカメラのP3と、中判カメラ相当のハンドヘルドタイプのカメラ、
ジナーmがあります。
P3はジナー独特のセルフロッキングシステムを持ち、その使いやすさはカメラマンなら知らない人はいないでしょう。
ジナーmは当初はNikonマウントのみでしたが、大画素のバックタイプのデジタルバックが拡充してきたのでよりイメージサークルの大きいハッセルのレンズマウントにも変換可能になりました。
また、Zeissと業務提携して、ハッセルで使っていたレンズをAF化した新型レンズを出し、ジナーmに付けるとAF一眼レフカメラとなりH1に対抗する予定だそうです。
今回デモしたeMotion22は、ジナーのキャプチャーショップで使えるカメラバックです。
アダプターを介していろいろなカメラに付けられます。この手のカメラで問題となる、ピントの調整ですが、「foil stack」というスペーサーで金属の薄膜を一枚ずつ薄くしてピントを調整できるパーツも用意されています。
撮像素子は4:3のダルサ製CCD2200万画素。50コマ毎分の取り込みスピード。感度ISO25〜200まで可変できます。
バッテリーはバルタと言う専用電池で2時間でフルチャージ、連続3時間使用250カットの取り込みが可能。
面白いのは内蔵メモリー3GB搭載していて、そのほかに更にメモリーカード(2GBまで、FAT16仕様)を入れることが可能になっています。
また、レゾリューションは可変でき縦横半分の画素数(ファイル容量4分の1)とフルの選択ができます。
画像記録は、内蔵メモリーのみ CFカードのみ 内蔵、カード両方書き出しの3通りが選択できます。もちろんFireWire接続で直結撮影も可能。無圧縮だと1GBのカードで20枚程度記録可能だそうです。
裏の液晶表示は近いうちに日本語化されるそうです。
ソフトの説明です。流行りの タグ付け機能はありませんがサムネイルの移動で選択することで対応出来るそうです。
また、メニューなど完全に日本語化されていないとか、現在はコンピューター側からシャッターが切れないなど、バージョンアップで対応予定も含めて、今後に期待という感じでしょうか?
クレオジャパン(株)テクニカルコンサルティング部テクニカルシステムスペシャリスト 石丸正紀
最新LeafCaptureとAptus22のデモ
リーフ社のカメラバックラインナップの説明から。
アプタスとバレオの2タイプでそれぞれ2200万画素と1700万画素の2種類を揃えます。
アプタスは背面液晶を備えているタイプです。
対角3.5inchの背面液晶は、タッチスクリーン式で、スタイラスペンでタップして拡大などが出来ます。
背面液晶ではアイコン表示されますので、タップで直感的な操作ができます。
使いやすい645フォーマット4:3で、最速キャプチャーレートを誇り、毎分50コマの撮影が可能です。2200万画素1枚あたり40MB、1700万画素では30MBのファイルになります。
また、多様なストレージオプションも特徴です。CFカードはもちろんオプションで外部HDに記録も可能です。(マイクロドライブはサポート外) ストレージオプションとしてFireWire接続で直接接続できます。
背面液晶ではキーボード表示させ、カメラ単体でファイルネームが付けられるなど、PDAを使っている人にはなじみやすいインターフェイスです。
バッテリはビデオ用を利用、連続使用1時間程度、コンピューター接続ではバッテリーなしで使用可能です。
続いてソフト(LeafCapture)の説明です。
カメラバックとコンピューターを繋ぐとまずファームチェックが始まります。この専用ソフトLeafCaptureは、ソフト内にカメラのファームウェアを持っていて、カメラ接続時にファームチェック、更にファームアップが出来ます。一度ファームアップされれば以後は接続後すぐに使うことが出来ます。
他のカメラバックでもそうですが、多彩なプロファイル(入力プロファイル)を持っていて、その中の「product」は忠実な設定で、商品撮影などに使うものと言うことです。そのほかには「portrait」があり、モデル撮影に適した設定のプロファイルをセットできます。
撮影ですが、ジナーeMotion22と同じようにカメラバック内にメモリーを持っています。12カット分くらいバッファにためられ、順次メモリーカードなどに書き出しているようです。
現在、リーフキャプチャはバージョン8.3.3ですが、 近くバージョンアップされます。
新しいソフト LeafCapture10はバレオ、アプタスに対応予定で、
直感的なインターフェイスを目指して作られるようです。更にRAWーHDRファイルを直接画像処理できるようになり、フォトショップライクな操作感で、生産性が高くなるとのことです。
一例では、デジタルルーペで100%表示出来るなど、実際にルーペでポジチェックをする以上の快適さが得られるそうです。
また、現像はバックグラウンドで可能になりますので、作業が中断することはありません。
プロファイルのカスタマイズも可能になりますが、内容的には単独アプリの「プロファイルメーカーPRO」の一部機能を実装しているそうです。
今年の夏過ぎリリース予定です。
簡単にデモして頂きましたが、まだ日本語化されていません。正規に日本語版を見てみたいものです。
早川塾長から「フォトショップCameraRAWで読み込み可能 フォトショップで読める唯一のカメラバック」という紹介もあり、使い勝手として便利な機種ではないかと思いました。
スタジオエビス金田さんからの新製品紹介
右は台車にもなるワゴン。
ムービー屋さんが使っているものの流用。
左はiMacG5を取り付けたスタンド。
医療用からの流用と言うことです。
文: 湯浅立志