マイクがない自己紹介は逆に緊張するものらしいです。逆にマイクを使わない時は周りから茶々が多く入り、参加している人間には楽しい時間です。キヤノンさんからはCANON EOS 1D Mark IIの実記紹介があったり、大田原氏からは sRGBと AdobeRGBの違いがはっきりと解る印刷物を披露してくれたりした。個人からはPhotoshop 教室をやってほしい、とか地方都市の抱える問題を訴える方もいらっしゃっいました。いつもの事ながら、個人個人が抱える問題、あるいは理想に触れる事の出来るこの時間は宝石のように貴重です。自己主張はいつものように予定時間を大幅に過ぎて終了した。
今年の最新動向
此処のお話はあまり大きな声で外にお話は出来ないのです。基本的に書ける事は山田さんのサイトにあるものと同じだと思ってくださいませ。もっと詳しいお話を知りたければ、ぜひ会場までお運びくださいますように。
今日は珍しく時間もあるためか、PMAの紹介から始まりました。もともとカメラ関係の技術者たちのセミナー、勉強会だったものが現在のような形に変化していったものだったらしい。というようなお話から始まりました。その後、PMA会場のレイアウトの説明などがあり、新製品の紹介に移っていきます。
今回は特に異例でにコダック社のの記者発表の前にコニカミノルタさんのレンズ交換式デジタルカメラの発表があったそうです。CCD駆動の手ぶれ補正機能付きのα7デジタルです。詳細は不明との事ですが、推測はお話していただきました。
そしてエプソンのフォクトレンダー仕様? レンジファインダー(空中像合致式)のデジタルカメラ。ベースはベッサRで、データ表示部が特徴的ですが、何だか気になるカメラです。デジタルだからこそクイックリターンミラーやらペンタプリズムを捨ててはどうか、とは以前からあたしがメーカーさんに会うたびに口にするお話ですが、それを逆方向で実践しているといえます。
巻き上げレバーの謎、とか、ISO感度は200に設定されていたことなどからさまざまな憶測が飛んでいました。
FUJIFILM Fine Pix S3 Pro 、日本では発売されないようですが、 FUJIFILM Fine
Pix S20 Pro と、どちらもハニカムSRを搭載した新機種の紹介もありました。
フィルムバックタイプから撤退したコダックはDCS SLR/n…この/nってなんだろう?を発表。 感度が2倍なり、バッファは512MB
で、此処に関しては大きな変化はなさそうです。この14nの後継機は販売継続されるそうです。
その他に、前夜祭の様子やら、8cmのCD-Rにメモリースティックから書き込むストレージデバイス。エプソンの小型顔料系の6色プリンターは値遺作持ち運びが可能で、メディアとしては100枚の用紙とインキのセットで29ドルという事です。はがきサイズの写真が一枚30円といったランニングコストでしょうか?。
珍しいものに、サンディスクの書き込み専用使い捨てメモリーカードの紹介がありました。非常用とといいますが、データ保存精度が高ければ、また違った用途も考えられます。そして、超高速タイプの2GウルトラII。また、レキサーの8GB 40倍速 5千ドル、ただしこれはかなりのお値段。4GBのカードは、80倍速似スピードアップされ、秒間12MBの書き込みが可能だという事です。
ライカの1000万画素記録のデジタルバック、シグマの24ー60mmというデジタルのための交換レンズ、コンシューマー800万画素機の紹介がありました。特に各社とも電池のもちは格段に良くなっているというおはなしには興味をそそられます。Nikon
D70なども驚異的な持ちをするそうです。
後半の雑談形式のお話はかなり、推測と希望の入り交じった展開となり、ここには書けないけれどもとても興味深いお話でした。詳しくは
http://www.digitalcamera.jp/
そういえば今回は飲み物のサービスがありました。これは嬉しい!!
キヤノンの800万画素機。かなり気になります。
「地上デジタル波放送の技術と動向」
株式会社シーアイエス技術担当取締役 名雲文男様
久しぶりに復活の技術者に聞く、シリーズです。今回はもとソニーに在籍し、CCD開発などを手がけてきた方で、今回は地上波デジタル TVの抱える問題、将来の展望、その歴史をお話し願いました。そのタイトルは「2011にはアナログテレビがターミネートされる」というなかなか物騒なものでしたが、お話は軽妙でウィットにあふれ、楽しいくお伺いできました。
最初にテレビの概要をお話され、その後地上デジタルテレビのメリットを解説されました。それは、ハイビジョンなどで実現した高画質、データ放送に加え、マルチ放送であり、編成の多様さ(一本の電波に複数の放送波を載せる事が出来る5倍)を実現できるまだら放送、モバイルレビ、高速移動時も視聴可能というぜいたくなものです。
さて、技術的なところとして、画像圧縮技術MPEG-2・MPEG-4、デジタル変調技術OFDNなどに関する解説も加わり、その結果導き出される答えとして、空きチャンネルを多く作れること、SFN(シングルフレケンシーネットワーク)にもお話は広がります。内容の解説はあまりに難しいのでレポートでは省かせていただきます。
ただ、気になったキーワードをいくつかご紹介しましょう。MPEG-2の画像圧縮とは冗長性を削減する技術で低周波成分は8ビット、高周波成分は2ビット、にしてしまうという事らしいのです。Jpegとは違いますが、取り扱うが造成分は同じような気がしました。
また、予測符号化とハフマン符号化、これは送り出さなくてはならない2枚の画像の違う部分だけを2枚目の画像として送る
という技術で日本のアニメーションみたいなものだといっていいでしょう。
MPEG-2になると一枚目の画像と二枚目の画像が大きく動く時(大きさや形は同じ)場合、動きのベクトルだけを計算し、そのベクトルを転送するのだそうです。MPEG-4
はオブジェクト単位の符号化を行うそうですが、私たちにとっては背景レイヤーをそのままに、そこに重なったレイヤーをそれごとに圧縮をするようなものらしいです。
新しい技術で、MPEG-4 AVCというものがあり、OFDDM…直行周波数分割多重方式という方式についても解説されました。
これは信号を小分けにして送る。という事でゴーストに強く移動通信向きの方式だそうです。
時間軸多重---ただひたすら早く送信する、高速化
周波数多重---5600に分割された複数の狭い道をゆっくり走る。
その結果ゴーストに強くなり、搬送速度も驚異的に上がるというものです。そのほか、ワンセグメントレシーバーという初耳の言葉も聞こえました。携帯レシーバーの事だそうです。
実はこれらの技術はすでに私たちの身近利用されており、それはネットワーク、第2世代無線LANだそうです。今後はワイアレスUSBなどに広がっていくらしく、期待できる技術です。
デジタルとアナログを比較すると、ひずみ、ノイズ、数値処理、蓄積の容易さなどはデジタルに軍配が上がるが、ストックする倉庫の大きさではアナログにかなわないそうだ。それはアナログ一波を正しく表現するためには2画素必要、という事実に代表されるというのです。しかし、数値化できる事により、前述のさまざまな圧縮技術を使用できるということでした。
ここまでの進歩の早さはデジタルだからこそであり、また、それを支えているのは超集積回路の技術の進化だという事でした。このあたりはデジタルカメラも全く同じですね。
今回はいつもと少し違い、私たちの仕事に直結する技術のお話ではありませんが、全く平行して進化している技術のお話でした。すっかり引き込まれてお話を伺っていると、もう終了の時間です。今日も二次会、約18名、その後約4名は3次回と盛り上がった恵比寿の夜でした
写真:電画スタッフ 文: 鹿野 宏