2004年 電塾2月のレポート
 
 
今回の電塾は、PAGE2004のジョイントイベントの1つとして、池袋サンシャインシティ文化会館7階にて行われました。参加者の中には午前から行われた、APA・RGBデジタル画像規格標準化研究会のイベントにも参加された方も多数いらっしゃったようで、丸一日の長丁場となりました。
会場はすぐに満席になり、最後列で立ち見をされていた方もいらっしゃるほどの盛況ぶりでした。また今回は鹿野は仙台のセミナー、電画スタッフの皆さんも不参加だった為、写真・文共に少なめです。
 
 
第一部 自己紹介&自己主張の時間 参加者全員
 
 

恒例の自己紹介、まずはMD研究会の皆さんから。先日行われた韓国電塾そのままハングルを交えてMD研究会の成り立ちをご紹介頂きました。また、電画の阿部氏からは今回のPAGE会場、印刷会社さんからようやくRGB、RGBと聞くようになったとのことで、我々カメラマンとしてもうれしい限りです。
今回は珍しく予定時間内で自己紹介が終わったため、続けて第二部へ移りました。

 
 
第二部 「2004年のデジタルフォト・デジタルカメラを展望する」
山田久美夫氏 オーバービュー
 
 

PMA前ということもあり詳細はお話し頂けませんでしたが(もともとこの場でのお話はあまり大きな声で外にお話は出来ませんが)、 PMAの予想とこの後デモがあるD70を中心にお話し頂きました。

そういえば、PAGE前日にFuji Photo Film U.S.A.からFine Pix S3 Pro、同 S20 Proが発表されました。日本での発表はまだですが、今から楽しみです

 最後に今はまだ話せないネタの一つを振って頂きました。ということで一時雑談タイム、推測と希望があちこちで膨らみ、そして飛び交う会場となりました。
詳細はPMA後に山田氏のページをご覧ください。
http://www.digitalcamera.jp

 また、スタジオエビスの金田氏からは近々発売予定のポータブルタイプを数点ご紹介頂きました。価格はどの機種もDBP for GX680の238万円を意識しているようで、こちらも目が離せません。

 
 
第三部 メーカーデモ
 富士フイルム DBP for GX680
 リーフ Valeo 22
 ニコン D70
 キヤノン EOS 1D MarkII
 
 

ワンショット、4136万画素記録可能なDBP for GX680がついに披露されました。実際スーパーCCDハニカム2068万画素を補完しての4136万画素ではありますが、今までの実績からみて十分期待できます。
さらに今回は塾長の親心?もあり、ライバルになるであろうValeo 22の飛び入りデモが続きました。

富士フイルム DBP for GX680
 銀塩の頃から言われてきましたが、ピントグラスの精度があまりよく無くピークが分かりづらい。この手のカメラと使うならライブプレビューが欲しいところですが、DBP for GX680には搭載されていません。発表時には搭載予定だっただけに残念です。また、GX680・DBP for GX680それぞれにデジタル信号接点が無いためにケーブルが数本必要になり、見た目はどうしても一世代前のカメラという気がします。
ですので、GX680自体がデジタル対応しGX6804型になるか、645AFカメラに対応するDBP for GX645(?)になるとまた評価も変わってくるのではないでしょうか。

リーフ Valeo 22
 Valeo 22はポータブルタイプなので多少の利はあるでしょうが、デジタル信号接点を持っているので外部にケーブルは必要ありませんし、カメラ側のAF制御、Digital Magazine装備で自由度も増す。大型カメラにつけた場合でも、別売りのドングルを使用すればライブプレビューも可能になります。

 性格が違うカメラではありますが、GX680の設計の古さが足を引っ張ってしまい、現段階ではDBP for GX680の正しい評価はできないでしょう。

ニコン D70
 D70の紹介の前にニコンカメラ販売さんからクリーニングキットの紹介がありました。ネットショップのプログッズのコーナーにて7,800円で販売中との事。内容物は実際にSSで使われているブラシ・ブロアーなどに加え、付属CDの中にCCDゴミ取りの手順がムービーが入っています。2/2から60個程販売しているそうです。私も後日購入しましたがフィルターで練習の最中で、CCDゴミ取りは詳細な手順をムービーで見られても直接CCDに触れるとなると正直怖いです。ぜひクリーニングキットを使ったセミナーなど開催してもらえないでしょうか。

 D70は価格帯からしてもKISS Digitalと比べられる事が多いようですが、格上の10DやD100にも勝るとも劣らない、とても魅力的なカメラに仕上がってきました。先に発売になったD2Hも内部処理が高速化されていましたが、D70は新型エンジンを搭載しJPEGと高速メディアの組み合わせではエンドレス連射が可能になりました。将来はエンドレス撮影が可能になるのではと言っていたのはごく最近のことで、まだJPEGだけですがRAWでもエンドレス撮影が可能になるのではと期待が持てます。
 NikonCaptuerもVer.4.1になりモアレオフ・LCHエディタ・カラーブースター等の新機能が追加されました。特にLCHエディタでは明度・彩度・色相のカーブを変えることによって、より忠実な仕上がりに持って行くことができそうです。うちの場合、衣料品の染料による色転びは展開後にPhotoshopで調整していましたが、余程のことが無い限りはNikonCaptuerだけで事足りそうです。説明の際にも「NikonCaptureはPhotoshopのプリプロセッサ」という表現を使われていましたし、さらにマスク機能が付けば完璧なのですが、いかがでしょうか?

キヤノン EOS 1D Mark II
 実機が間に合わなかったのは残念でしたが、 開発コンセプト・ソフトを中心に紹介頂きました。報道・スポーツ写真に照準を合わせた1Dの後継機だけあって、各所に最適化・スピードアップが図られ、8M、8.5fpsというとんでもないスペックに驚くばかり。また、後処理もとんでもない事になりそうですが、ソフトもバージョンアップで早くなっているそうなので心配ないでしょう。

 そのソフトはバージョンアップと言うよりは一新し、処理速度も格段に早くなっているとの事で、今まで待たされる感のあったプレビューもこれで解消されるとうれしいです。それから、展開時のプロファイル埋め込みに対応したので、ようやく安心して使うことができます。

・EOS Viewer Utility(旧 File Viewer Utility)
 大きく変化した点は、各種設定項目がフローティングウィンドウになった。選択画像を大きい表示で調整する場合にプレビューの待ちが無くなり新たなウィンドウで開くようになった。
・Digital Photo Professional
 DPPはEVUとほぼ同じようですが、 DPPのほうがより細かい設定と処理速度で勝っているようです。いまいち馴染めなかったトーンカーブについては5本のカーブが用意されているとのこと。また、色調整に忠実設定の項目が増えました。詳細はまだ不明ですが、回転した色相を戻してオリジナルに近づけるものでしょうか?
・EOS Captuer(旧 Remote Captuer)
 今まではプルダウン方式でF値やシャッタースピード等を変更していた。これがなかなか使いづらかったのですが、今回はカメラの液晶部分をそのまま移植したようなインターフェースに変わりました。一目で分かって使い勝手も良くなったのではないでしょうか。

写真・文:石川 恵愛