参加者全員
今回から、自己主張の持ち時間は一人30秒から3分までということになりました。40人が一人3分自己主張をするとそれだけで120分になってしまいます。長い方もいらっしゃれば、短い方もいらっしゃるのはそれぞれの個性であるからにして、それは構わないのですが、資本主義というものはどんなものでも換金しようとするものです。近い将来、3分以内に自己主張をおさめることができない(たとえば私)人間は結構あっさり派人間の間で1分200円程度の裏取引が始まるのではないだろうか? だんだんプレミアが付いて最後は1分5000円なんて言う高値がついたりして。
今回は特別に各顔写真を掲載します。といっても40ピクセル各なのでほとんど見えませんけれども顔出しに問題のある方はご一報ください。
このところ自己紹介がてら、自分の失敗談を披露される方々が続出し、特に以下にデータをまもるか、また事故に遭った時はどうするか、事故に遭わないためにはなにが必要か、という基礎的な問題が何度か取り上げられたことを受け、このようなテーマが選択されました。この案件に関して各社のスペシャリストから多くのアイディア、救済方法が掲示されました。
実は今日は私は自己紹介の後に所用で席を外さなくてはならない事態となり、急きょ河野氏に代打でお話の要約をお願いしました。
そのため、第二部はほとんど河野氏のレポートの要約と、電塾の記録テープから起こした物となるため少々臨場感に欠けるかもしれません。とにもかくにもレポートを仕上げることが出北のは河野さんのおかげです。ありがとうございました。
第一段は2002年ころからハードディスクのリカバリーからCFカードに代表されるメモリーカードのトラブルが増え出し、現在は全体の70%がメモリーカードのトラブルになったという フジフィルムテクノサービス営業部営業技術グループ課長 田部靖尚氏から、どのように壊れるのか、ということの説明がありました。もう皆さんご存知だと思いますが、ストレージの構造内にフォーマット情報が書き込まれ、ここを読んでどこに目的の情報があるかを探し出す仕掛けになっているのです。そのフォーマット情報 (FAT)が壊されてしまうと全てのデータはそのデータが壊れていないにもかかわらず、通常は読み出せなくなってしまうのです。
これを無理やり読み出す方法論の解説(ディレクトリ情報の復習です)とデモンストレーションもされましたが(なるほどノートンの仕掛けとはそういったものなのか、と改めて感じ入りました。)データ、フォークなどの仕組みを理解しないまま手を出すと大やけどをしそうです。よい子の皆さんはまねしないでください、というところでしょうか?
こんなものだよ、と知っておくことにとどめるべきでしょう。ここで注意するべき点は「データが消えた!」という場合でも、多くの場合は“読めなくなった”だけでありデータそのものは残っているのだ、ということを理解すればよさそうです。慌てず騒がず、余計なことをせず、そのままサービスに駆け込むのが得策のだということです。
第二段はトラブルを誘発する物理的原因は衝撃、埃、結露、に代表されるという、ヤノ電器株式会社 ソリューション事業部Gマネージャー 稲山 智久氏です。最近はFireWire接続のハードディスクの障害が多く報告されるが、その原因にはIDE/FireWire変換基盤、ハードディスク上の基盤、そしてハードディスクの円盤本体、と三つあるので、見極められる場合はためしてみようというようなお話をされた。基本的には自社のデータ救済サービスを紹介されたが、どんなデータでもゼロ書き込みをしてしまう、あるいは電気的な障害と言ったものはさすがに復旧出来ない場合もあるといいます。また、救済にかかる金額はかなりのものになるということも含めて、データ復旧その予防策を十分にとることを進めていました。そのためにRAIDシステム、DVD-R,CD-Rなどのバックアップシステム導入を提案していました。
第三段として、レキサーメディア株式会社プロチャンネルセールスコーディネーター 井崎高典氏からイメージレスキューとJumpShotケーブルについての詳細な解説がなされ、Jpeg、TIFFならメディアから、かなりの確率でデータをHDDに書き出すことができるそうです。実際にデータが入っているカードをカメラでフォーマットし、イメージレスキューを使用して、復旧するというデモンストレーションが行われました。個人レベルでCFカードのデータを完ぺきに復旧できるという事はレキサーメディアが持つスピード以上に大きなメリットだと感じました。残念ながら、各社のRAWデータには対応していないそうですので、将来のバージョンアップに期待したいところです。
第二部の最後にニコンカメラ販売株式会社 販売促進部プロサービスセンター主事 中島斉一氏が登場し、エラーの種類の解説がなされた。デジタルカメラ内部のエラーはおおきくわけてその電源の状態に由来するものと接点のトラブルをあげていた。パソコンとカード間のトラブルがいちばん多く、
1.アプリケーションがアクセスしているにもかかわらず、カードを引き抜く
2.デバイスの取り出し操作をしないで引き抜いてしまう
3.アクセスランプが無いカードリーダーは要注意
4.パソコン、カード間の通信トラブルに関しては不明な要因が存在している
などを上げられていました。
現実的な救済方法として、FINALDATA2.0DXを紹介していました。実は私も中島様に紹介していただいて、使用しており、カードメディアを使用している人間には必須アイテムかもしれないと思っています。もちろんウィンドウズでしか動きません。(メモリーカードはもともとDOSです。しかも多くの場合は特定のカメラに最適化された状態で使用します。Macでメモリーカードの内部をいじるのは厳禁。ましてデータ消去などするとトラブルに出会う確率はいきなりトップレベルに跳ね上がります。そういう意味でカードフォーマットのためにウィンドウズ機を一台は持っているほうがいいかもしれませんね)
またカードリーダーを変えると読める場合もあると言う事例も紹介していました。
最後の手段として、“このカードはフォーマットされていません”というダイアログがでてしまう時、思い切ってクイックフォーマットしてしまう。もちろんこれはフォーマット情報を書き直しただけなので、内部のデータは残っているはずです。これでマシンに認識してもらえたら、すぐにFINALDATA2.0DXを使用してデータを復旧する。という荒技も紹介されていました。くれぐれも自己責任で行ってください。
ソニー株式会社 モーバイルネットワークカンパニーイメージングテクノロジー部門2部3課カラーイメージンググループ主任研究員 工学博士 加藤 直也氏
何とか仕事を終えて、会場にたどり着くとすでに第3部は始まっていました。途中からででしたが、今回も簡単にレポートさせていただきます。(何しろ、突っ込んで…というか事細かに書いてはいけないという至上命令を受けてますので)色彩管理技術の流れと題して、ICCが設定されていった由来、構造、デバイスインデペンデントカラー採用の道のり、sRGB、AdobeRGB色空間の出生の秘密? などなど、お話された。今更ではあるが改めてプロファイルの構造、有効性に関して再確認させていただいた。(実は初めて知ったお話も多くあるのですが、そこまでは書けないのです…知りたければ電塾にきて!!)
PCの世界で次期主力と目される拡張sRGBというものもどういうものかということを初めて知ることがで来ました。
今回で5回目を数える「技術者に聞く」シリーズですが、私はレポートを書いている関係上、幸いなことに全ての回を漏らさずお伺いすることがで来ています。私達が何気なく使っている技術、仕様が実は思わぬところから生まれていることを知った時、あ、だからこう使わなくてはいけないんだ、などと納得する時、電塾をやっていて良かったな、と心底思う瞬間です。だって普通ならこんなこと聴けないもの。特にこの「技術者にに聞く」というコーナーはこの会場の中だけでお伺い出来るものです。基本的に公開は出来ない性質のお話も聞けるのです。ぜひ皆様のご参加をお待ちしています。
写真:電画スタッフ 文: 鹿野 宏