ハッセルブラッドH4D用新レンズ
 
 
 
 

 

H4DII50MS ハッセルブラッドのLENS ラインアップの中で、120mm マクロと50mm が IIになり、発売されました。メーカーがいうには6000万画素、そして2億画素という Extended Multi-shotに対応するための改良だというので、そのレンズ二本を新旧で比較検証してみました。本来はデジタルカメラの1pixelをどう解像しているかを検証するための電塾チャートを流用してのチェックですので、ホントの意味でのレンズテストとは言いがたいのですが…。

 

全ての画像をクリックすると、クリックでフルサイズの画像を別ウィンドで開きます。画像は見やすいように400%表示になっています。

 

 
 

 

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最初の検証結果では50mm は50mmII になって確かに解像感が上がったと感じました。きっと6000万画素でも十分真価を発揮するでしょう。左側が新しいレンズです。

 

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しかし期待していた120mmマクロはあまり変わったように思えません。こんな物かと思っていたら、シングルショットのテストでは新レンズの精度が上がっているのが分かりました。これは右側が新レンズになっています。

 

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ワンショットで性能が上がってマルチショットで性能があまり変わらない…おかしいと思い、チャートをよく見てみると…あちこちにチェッカーフラッグが出ています。どうやら4枚の画像を合成する際に旨く合成できていない現象があるようです。

 

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次に全く同じ環境で、十分に頑丈なスタジオスタンドに取り付けて、3回同じチャートを撮影してみましたが、3回とも結果が異なります。そしてほとんど変わらないはずのeVolution 86 Hの4ショットより、かなり成績が悪いのです。

 

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どうやらレンズシャッターのショックを吸収しきれていないのだろうと金田氏からのコメントがあり、長めのバーの上にレンズとボディを同時にサポートする器具を即席で作り上げ、カメラスタンドに設置して再度試してみました。実際にはレンズをサポートベースに縛り付けて使用しました。

 

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今回は見事に1pixelが再現されてきました。どうやらレンズシャッターの振動が大きすぎるようです。50mmに搭載されているレンズシャッターも同じ物のようですが、こちらは全長が短いのでその影響があまりでないのでしょう。とするとマウントも疑うべきかもしれません。この画像は左側が新レンズです。

 

120マクロ IIというレンズ、レンズの解像力、色相分離能力はは素晴らしいけど、マルチショット撮影時で1pixelまで解像できるかどうか、というシーンで突き詰めてみると

1:重すぎる

2:長すぎる

3:シャッターショックが大きい

4:どうやらこのレンズの重さと長さに対してマウントが貧弱

という結論が導かれてしまいました。全てをクリアして修正する事は難しいと思います(特にマウントは…)使用する側がレンズシャッターの振動を旨く吸収する(あるいは起こさせない)工夫が必要なようです。

 

もちろんワンショットにおいては十分に使用できるレンズですし、通常の被写体を撮影しているのであればこの不整合はほとんど気になりません…と言うかきっと気づかないでしょう。1pixel、あるいは2ピクセルのラインを正確に取り込もうとしない限り見えてこないはずです。私自身、これに気づくまで3ヶ月もかかってしまいました。

 

いずれにせよマルチショット撮影時は三脚に取り付けて使用するカメラだから、全体のサポート装置を付けることは特に苦になりません。でも製品としては(レンズだけでも80万円もするのに)この完成度ではちょっといただけない気がします。

 

120mm マクロII、 その解像力は目を見張るほどの大きな変化はありませんでしたが確かに見事でした。ただ、5000万画素以下の画素数のカメラを使用したときには新旧の差はほとんど感じないだろうという結果でした。(これは予想通りです)6000万画素や Extended Multi-shotでどれだけの結果を出してくれるのか楽しみです。

 

新旧レンズのチャートダウンロードはこちらから。

 

 
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