2014年5 月 定例勉強会レポート
ここに本文を記入します。
午前の部:「360°パノラマの見せ方を考える」
・メインプレゼンター:染瀬直人(電塾運営委員)
・ゲスト:五藤光学研究所 高橋幹雄様
谷口直嗣様
SONY 山崎達也様
午後第1部:「最新撮影技法」
・メインプレゼンター:谷口とものり(電塾運営委員)
•ご担当 株式会社エルモ 開発営業部 沢井様
エルモ社 1921年の創業。創業時から映像系のメーカーとして発展し、8ミリ、16ミリカメラ、映写機などを作っていました。私も8ミリカメラやスプライサーを持っていましたが、8ミリが廃れた後私もすっかり忘れていました。その後はOHPなどに比重を移し、現在はCCDカメラ、AVコントロール、書画カメラなどを主力に活躍しているそうです。そう、CCDカメラを作っているのですが、最近はコンシューマ向けと言うよりは監視カメラなどの業務用とが多かったそうです。それがここに来て超小型の動画カメラを作ったのです。そしてそれがパノラマの草分け、谷口氏の目に止まったのです。
手のひらに握り込めるサイズ、デザインのこのカメラは93グラムと軽量で動画(フルHD60p)と静止画をスマートフォン経由で撮影、コントロールできます。バッテリーは内蔵(交換不可のため電池が切れると再充電かモバイルバッテリーが必要になる)マイクロSDカードに記録、この小ささで、ゆがみ補正や手ブレ補正機能を持ち、ワイドダイナミックレンジのモードも持っています。しかも20センチから無限遠パンフォーカス仕様。F2.0の明るいレンズはなんと185ミリという超広角です。近づいたり離れたりという再現も可能なようです。
ま、ここまでは通常の製品紹介ですが、これを使用して何ができるか…谷口氏がトライしたのは、たった4台でステッチングする360°パノラマ動画の撮影です。通常6台を使用してGo Proなどで撮影するのですが、それを4台に減らす。減らすことで「つなぎ目」の処理が格段に精度高くなり、その作業も非常に簡略化されるというのです。そのために特殊な形状のリグを独自開発。ついにそのリグも商品化されるそうです。商品化されるリグはかなり良くできていてそのしかけも見事でした。また、4台で繋げるその最大の理由は185°という超広角製だと言います。でも185°あれば3台でも繋げそうな気がするのは私だけでしょうか?個人的には天井と真下はほとんど見せる物が無いため、無くてもいいような気がするのは「パノラマの素人」的な考えなのかもしれません。
…この超広角レンズが今回の「肝」なのですが、実は狙った物では無く、監視カメラに採用していたレンズの流用だったのだそうです。
メーカーとしてはパノラマ向けの商品開発ではなかったため、こんな使い方をされてびっくりしていたそうです。これまで360°パノラマ動画ということが頭に入っていなかった開発側も「この使い方にマッチした仕様」を考えに入れて設計するように対応しているとのこと。(フォーカスやホワイトバランス、シャッタースピードなどに関してはまず手始めにファームウエア—で対応するかもしれません)
もう一つ大きな特徴はその値段。GoProに比較してかなりお安い…。しかも数が少なくてすむという利点があります。専用リグとのセットで10万円!っていうのも夢では無いかもしれません。
谷口様は実際に現場で撮影、ステッチ、そして再現までをデモしてくださいました。私もこれを見ていて…これまでパノラマ動画には二の足を踏んでいたのですが、可能性を感じました。いえ、やってみたいと思うようになったのです。さて、谷口教室に通わなくては!
レポート:電塾運営委員 鹿野 宏
午後第2部:「あの人に会いたい!」
・ホスト 谷口とものり(電塾運営委員)
・スペシャルゲスト:パノラマ愛好家 金子吉幸様
ついにこの日が来ました!待望の「金子さん」に佐渡から来ていただきました!
1年程前から電塾で金子さんのお話を聞きたい、作品の解説をしていただきたいという話が持ち上がっており、佐渡で電塾をやったらどうかという話まで出ていました。
それ程の「金子さん」、パノラマをやっている人なら誰でも知っているという人。
世界中に4万人のパノラマ愛好家がいると言われているが、そのほとんどの人にその名が知られていると言われており日本より有名な人。
最も有名な作品がこれ
http://az490469.vo.msecnd.net/panorama/data/2013/0812kaneko/
今回、金子さんは何十年ぶりかに東京に来られたそうです。
会場で披露された作品は、この日の為に新たに用意されたと思われる力作ばかりでした。
■01.台北101
http://japanos.xii.jp/denjuku/01_taipei101/01_taipei101.html
■04.さくら
http://japanos.xii.jp/denjuku/04_sakura/04_sakura.html
■05.ウサギ
http://japanos.xii.jp/denjuku/05_rabbit/05_rabbit.html
■06.カタクリ
http://japanos.xii.jp/denjuku/06_katakuri/06_katakuri.html
■07.タライ舟 a
http://japanos.xii.jp/denjuku/07_tarai_a/07_tarai_a.html
■08.タライ舟 b
http://japanos.xii.jp/denjuku/08_tarai_b/08_tarai_b.html
■09.ほおずき
http://japanos.xii.jp/denjuku/09_hozuki/09_hozuki.html
■10.青いビン
http://japanos.xii.jp/denjuku/10_blue/10_blue.html
■11.緑のビン
http://japanos.xii.jp/denjuku/11_green/11_green.html
これらの作品を通して、作り方、仕掛け、コンセプト、カメラやレンズの扱い方、ソフトの扱い、など様々な角度から解説をしていただきました。
金子さんの「パノラマはエンタテイメントだ!」という言葉が印象的でした。
レポート:柳川 勤(電塾運営委員)
午後第3部:「超広角魚眼レンズを搭載したデジタルカメラEntapano」
・解説:染瀬直人(電塾運営委員)
新潟電塾の風間さんからの紹介で「Entaniya」という会社があります。この会社から発売されている「Entapano」というカメラがあります。
これが「Entapano C-01」
メーカー情報:http://www.entapano.com/jp/c01/index.html
ヨドバシカメラ、アマゾンで販売中。¥4,980
・静止画のみ
・183°の円周魚眼(Entaniya Fisheye 1.4mm F2.2)
・9Mセンサー
・フォーカスアジャスト(被写界深度が深いのでピント合わせは不要だが、手動でピントの調整がで きる)
・パノラマ作成サービス(Entaniyaのクラウドによるサービス)
作例:http://www.kateigaho.com/recommend/pickup/20131129_1816.html
もう1台が「Entapano C-02」
今夏発売予定 価格は約10万円
・静止画だけではなく動画撮影も可
・250°の魚眼レンズ
・14Mセンサー
・電子コンパスを搭載(撮影方向を記録)
・GPS
無料パノラマVR作成サービス「Entapano F」
・円周魚眼レンズで撮影した写真から180°と360°のパノラマVRガ作成できる
・メールアドレスの登録だけで無料で利用できる
資料:http://www.entapano.com/jp/f/
不動産向けパノラマムービー作成サービス「Entapano R」
・有料でパノラマムービーを作成するサービス
・契約するとEntapano C-01を無料で貸し出し
資料:http://www.entapano.com/jp/r/index.html
360°のパノラマを作成する時に使用するカメラの台数は少なければ少ない程、視差の違いによるステッチの破綻がなくなります。
そこで、よりワイドなレンズを装着したカメラが多くのメーカーから開発されているようです。
360FLY
CENTR改造GoPro
レポート:柳川 勤(電塾運営委員)
午後第4部:「機材自慢&Tips自慢大会」
・司会進行:谷口とものり、染瀬直人、他(電塾運営委員)
・参加:田中雅美様(自作パノrig)
小田川明好様(カイトパノラマ)
太田正人様(ハンドヘルド&ポール撮影)
今月の一枚
文句なしにこの一枚です。金子様!わざわざ東京までお運びいただき、感謝したします!
こちらは懇親会の様子。さすがパノラマ仲間です。