「電子書籍を含んだ画像ビジネス」 郡司秀明氏
文章:越野龍彦
今月はIGAS2011開催のまっただ中に無理に予定をさいていただき、郡司さんにお越しいただきました事に感謝申し上げます。
自己紹介で塾生には写真関係が多いとの見方から、写真の利用・使用の現状を3種類にわけて
1:Net内完結の写真 2:動画の動向 3:以前からの印刷物 とし、
印刷と写真の関係を含めての話は始まりました。
デジタルサイネージと動画について、スチールカメラマンには比較的とっつき易いのではないかと。ただ撮り方としてそれぞれの特徴をふまえたモノがあるとの解説。
デジタル印刷機向けの写真・ゼロックス向けインクジェット向けの写真・iPad向けなどの電子書籍の写真、と利用状況を考えた撮り方をすれば良いのでは、との考えを聞かせていただきました。
現状については、iPhoneはAndroidより2年は先に行ってるとの見方や、デジタルサイネージの活発化から、印刷業界の厳しさを人件費や注文減、納期短縮などを例に挙げ少数精鋭の会社づくりが求められ、高コストのオフセットよりデジタル印刷やオンデマンドを中心とした方向になるだろう、との見通しを述べられ、大手マスメディアも紙媒体の印刷から電子書籍へシフトしている様子だそうです。
動画と静止画の垣根がいっそう低くなり、5人以下で撮れるムービーチームなどの効率性を売りに展開できる可能性にも触れられました。独りで撮って、編集して、、、も居そうです。
一方の写真については、昔のカメラはAdobeRGBモードでもsRGBの範囲しか写らなかったことの例を挙げていました。
また、完全な色合わせをビジネスにする例として分光撮影で便色チャートを作る仕事の例を紹介し、赤ちゃんの便の色をチャートのように印刷し実際の便と比較して病気の早期発見に繋がっている、との実績を示してくれました。
また「同じ設計図から、製品と印刷物(写真?)が出来る」との言葉には、カメラマンがロボット化するのでは?という危機感を感じました。しかし、CGソフト内での自然なライティングはカメラマンの分野と説かれ、クリエティブを主導する重要な一因という事がわかりました。
そしてiPadのカタログ化にともなうCMS。
iPad用のプロファイルが出来れば、写真やイラストなどの色再現は飛躍的によくなり、商談のカタログとしての利用度が増えるとの事です。
他には各携帯電話の音質測定の結果やなど興味深いお話が聞けました。
eBookジャーナルの連載「マスター郡司の誌上実験室」を紹介しながらの講義では、先ほどのプロファイル作りや実際に電子書籍が出来るまでの流れをお聞きしました。
HTMLは見るデバイスによって見え方が変わってしまう。インデザインからePubへ、そしてドリームウィーバーで書き換えと説明していただいたのですが、正直なじみがなく勉強不足もあって難解に思えてしまい、よく理解できてなくついて行けなかったのが情けないです。
写真としての流れ、はRGB書き出し→インデザイン→CMYK変換後にアンシャープマスク→PDF→電子書籍となるそうです。つまり、RGBとCMYKを管理できる能力とユニコードが使える能力で、コンサルを目指すのも一つの手らしい、とヒントもいただきました。
ご多忙の身でありながら終了後の懇親会にも居ていただき、楽しい時間をすごせたことが嬉しかったです。
最近のコメント